生物学的製剤が、さまざまなアレルギー疾患に応用されようとしている。
■ 生物学的製剤、たとえばデュピルマブやネモリムマブは、成人の重症アトピー性皮膚炎に光明を投げかけようとしています。
■ しかし、小児に関してはそれらの研究は乏しく、まだこれからの適応が期待されている、という段階です。
■ 一方、オマリズマブ(抗IgE抗体)は、すでに喘息における治療経験が積まれている薬剤です。
■ そして小児においては、IgE抗体が高くなっているアトピー性皮膚炎が多く、オマリズマブが有効である可能性があります。
■ 最近発表された、重症小児アトピー性皮膚炎に対し、オマリズマブを使用したランダム化比較試験をご紹介します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
重症アトピー性皮膚炎(objective SCORAD 40以上)の4歳から19歳の小児に対しオマリズマブ(ゾレア)を24週間使用し、アトピー性皮膚炎が改善するかを検討したところ、
✅ オマリズマブ群はプラセボ群に比較して24週目におけるobjective SCORADが有意に改善し、objective SCORADの差の平均は −6.9(95% CI −12.2~−1.5; P=0.01)だった。
✅ オマリズマブ群ではプラセボ群と比較して強力なステロイド外用薬のが少なかったにもかかわらず、疾患重症度は改善した(体表面積に占める湿疹の割合の中央値が16% [四分位範囲 (IQR)10%-46%] vs 31% [IQR 14%-55%]; ステロイド外用薬使用日数の中央値109日 [IQR 34~164日] vs 161日[IQR 82-171日])
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