以下、論文紹介と解説です。
Versluis A, et al. Reintroduction failure after negative food challenges in adults is common and mainly due to atypical symptoms. Clinical & Experimental Allergy [Epub ahead of print]
食物アレルギーを疑われ食物負荷試験を実施して陰性であった113回(80人)のあと、その食物を導入できなかった率と理由を検討した。
背景
■ 食物負荷試験(food challenge; FC)陰性後の食物の再導入は多くの障害に直面する。
■ しかし、利用できる成人を対象とした研究はない。
目的
■ 成人における再導入失敗の頻度、理由や危険因子を検討する。
方法
■ この前向き研究では、成人患者は、再導入計画と支持的な電話相談を含む、FC陰性後の標準化した追跡治療を受けた。
■ データは電話インタビュー(FC後 2週間)とアンケート(試験開始時およびFC後 6ヵ月時)で収集した(すなわち、食習慣アンケート、State‐Trait Anxiety Inventory、Food Allergy Quality of Life Questionnaire‐Adult Form and Food Allergy Independent Measure)。
■ 再導入失敗の頻度と理由を、記述統計と単変量解析による危険因子を用いて解析した。
結果
■ 80人において、全113回のFC陰性だった。
■ 短期間(FC後 2週間)の再導入失敗は20%(95% CI:13%~28%)だった。
■ 一般的な理由は、再導入中の摂取時の症状(50%)や食物を食べる必要がないこと(23%)だった。
■ 長期(FC後 5~12か月)では、再導入失敗は40%(95% CI:28%~53%)に増加した。
■ 主な理由は、食物摂取後の非定型症状(59%)やアレルギー反応に対する恐怖(24%)だった。
■ 長期間の再導入失敗の5つの危険因子、すなわち、原因食品がEU規制アレルゲン13種類にはいっていない場合、短期的な再導入の失敗、FC中の非定型症状、生活の質がより低いこと、状態不安がより高いことが、見いだされた。
結論と臨床的意義
■ 成人では、FC陰性後の再導入失敗がよくみられ、時間とともに増加し、主に非定型症状に起因する。
■ これは、食物陰性の負荷試験前と後に、患者に合わせたケアがより多く必要であることを強調する。
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食物アレルギーに関し、『年齢が高くなるまで経過をみる』ことは、再導入に失敗しやすくなるというリスクもあるといえるようだ。

■ 外来ではよく、『もう少し年齢が高くなってから負荷試験をしたい』という希望をお聞きすることは多いです。
■ しかし、食物経口負荷試験はどんどん前倒しで実施することが多くなっています。
■ というのも、年齢が高くなるまで食物アレルギーが持続すると治療の難易度が上がってくるうえ、およそ25%の患者が食物負荷試験陰性でも食物除去を続けることがあるからです(Pediatr Allergy Immunol 2006;17:601–605.)(Eur J Pediatr 2015;174:1093–1099.)。
■ これらでも、食物再導入失敗で最も多い理由のうちの1つとして、児の食物をいやがることが報告されています。
■ 年齢が高くなるまで引っ張ってしまった場合、そのリスクが無視できないからという点が指摘できます。
■ 成人でも、同様の傾向があるといえるでしょう。
今日のまとめ!
✅ 成人においても、食物負荷試験陰性であっても摂取開始できない場合は少なからずあり、長期間になるほどその失敗率は上昇する。













