以下、論文紹介と解説です。
Wang HL, et al. Association between air pollution and atopic dermatitis in Guangzhou, China: modification by age and season. British Journal of Dermatology 2021; 184:1068-76.
2013年1月19日から2017年12月31日までに、中国の広州においてアトピー性皮膚炎のために病院受診した計29972件を検討し、受診におよぼす環境因子の影響を調査した。
背景
■ アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis; AD)に対する大気汚染の短期的影響は、その影響する修飾因子とともに、十分に検討されていない。
目的
■ 大気汚染とアトピー性皮膚炎との短期的な関連性を調査し、年齢や季節による影響の変化を明らかにする。
方法
■ 一般化加法モデルを用いて、潜在的な交絡因子を調整し、環境における大気汚染がADの毎日の病院受診に及ぼす短期的な影響を評価した。
■ 季節と年齢(18歳未満と18歳以上)によって効果が変化する可能性を確認するために、サブグループ分析を行った。
結果
■ 2013年1月19日から2017年12月31日までに、中国の広州でAD計29972件の病院受診が記録された。
■ そのうち、72.8%が小児の受診で、51.4%が涼しい季節に発生していた。
■ ADの病院受診に対する急性および遅発性の影響は、すべての大気汚染物質において有意だった。
■ より強い影響は涼しい季節に見られた(暖かい季節の影響の約1.7~3.0倍)。
■ また、小児では強い影響が見られた(成人の約1.3~1.8倍)。
■ 感度解析の結果、この結果は頑健であることが示唆された。
結論
■ 中国の広州の亜熱帯地域では、大気汚染がADの重要な誘因となっている可能性がある。
■ 小児は大人よりも影響を受けやすく、その影響は涼しい季節に強くなった。
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大気汚染とアトピー性皮膚炎に関する報告が増えてきそうな気配があります。

■ 気温だけでなく、大気汚染がアトピー性皮膚炎の症状との関連する修飾因子になり、温暖な季節には湿度の高い気候が皮膚に潤いを与えるため、アトピー性皮膚炎の症状を緩和し、涼しい季節には乾燥した気候がアトピー性皮膚炎の症状をさらに悪化させたのではないかと考察されていました。
■ 大気汚染は、中国よりも日本の方が少ないと考えられるので、おなじような結果にはならないかもしれません(Discussionにも、人口、社会、環境が類似している都市にのみ一般化することができると記載されています)。
■ 最近、米国の山火事による大気汚染がアトピー性皮膚炎や痒みを誘発しやすくなるのではという報告(Fadadu RP, Grimes B, Jewell NP, Vargo J, Young AT, Abuabara K, et al. Association of Wildfire Air Pollution and Health Care Use for Atopic Dermatitis and Itch. JAMA Dermatology 2021.)があり、大規模な大気汚染に関する研究結果がふえてきそうな様子です。
今日のまとめ!
✅ 大気汚染はアトピー性皮膚炎の増悪因子になり、涼しい季節や小児ではより強く影響するかもしれない。













