以下、論文紹介と解説です。
Nakagawa H, et al. Phase 2 clinical study of delgocitinib ointment in pediatric patients with atopic dermatitis. J Allergy Clin Immunol 2019; 144:1575-83.
2~15歳の日本人アトピー性皮膚炎患者103人を、0.25%または0.5%のデルゴシチニブ軟膏群もしくは基剤軟膏群に1日2回4週間投与にランダム化し、有効性と有害事象を比較した。
背景
■ 新規のヤヌスキナーゼ阻害剤であるデルゴシチニブ(JTE-052)の外用剤は、成人アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis; AD)に臨床的に有効であることが示されている。
■ しかし、小児のアトピー性皮膚炎患者におけるデルゴシチニブ外用薬の有効性は不明のままである。
目的
■ 小児AD患者におけるデルゴシチニブ軟膏の有効性と安全性を評価することを目的とした。
方法
■ 第2相臨床試験(JapicCTI-173553)では、2~15歳の日本人のAD患者を、0.25%または0.5%のデルゴシチニブ軟膏群もしくは基剤軟膏群に1日2回4週間投与に1:1:1の割合でランダム化した。
試験フローチャート。
■ 有効性の主要評価項目は、治療終了時(end of treatment;EOT)の修正Eczema Area and Severity Index(EASI)スコアの試験開始時からの変化率とした。
結果
■ EOTにおいて、デルゴシチニブ投与群では、修正EASI(Modified Eczema Area and Severity Index)スコアが、基剤群に比べて有意に低下した。
■ 試験開始からの最小二乗平均変化率は、0.25%群で-54.2%、0.5%群で-61.8%であったのに対し、基剤群では-4.8%だった(両群ともP < 0.001)。
論文から引用。
A: 修正EASIスコアの試験開始時からの変化率。
B: 時間経過に伴う修正EASIスコアの週単位の変化率(最小二乗平均値[95%CI])。
■ 同様に、EOT における両デルゴシチニブグループの Investigator's Global Assessment(治験担当医師による全体評価;IGA)およびそう痒スコアを含むその他のすべての有効性パラメータは、基剤群に比べて有意に改善した。
論文から引用。
A: 修正EASI スコアが 50%以上改善した患者の割合。
B: 修正EASIスコアが75%以上改善した患者の割合。
C: IGAスコアが0または1になった患者の割合。
D: IGAスコア0または1を達成し、試験開始から2ポイント以上の改善が見られた患者の割合。
■ デルゴシチニブ両群における有害事象の重症度は軽度であり、重篤な有害事象は報告されなかった。
結論
■ デルゴシチニブ軟膏は、小児のAD患者の臨床症状を改善し、忍容性も良好だった。
■ これらの結果から、デルゴシチニブ軟膏は小児AD患者の治療選択肢として有望であると考えられた。
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JAK阻害薬であるデルゴシチニブ外用薬(コレクチム軟膏)は、小児のアトピー性皮膚炎に有効で、基剤に比較して重篤な有害事象も変わらない。

■ デルゴシチニブ軟膏を使用開始してからの私のなんとなくの印象ですが、効果のある方と不十分な方に大きく分かれる印象です。
■ デルゴシチニブの分子量が小さめであるため、血中への移行が懸念されるところですが、本研究に置いて血漿中濃度が検出された患者は1名のみである、デルゴシチニブの全身曝露量は非常に少ないのではないかとされています。
■ 皮膚感染症において、膿痂疹や毛嚢炎などは認められましたが、その発現率は非常に低く,基剤と同様だったとされています。
■ また、投与期間が4週間と短いでのはっきり言うことは難しいですが、ステロイド外用剤の長期使用で見られるような皮膚萎縮や毛細血管拡張は認められなかったとしています。
■ タクロリムス軟膏でよく報告されている灼熱感などの刺激症状は認められなかったそうです。
■ これから、さらに私自身も、この新しい外用薬に習熟する必要がありそうです。
今日のまとめ!
✅ デルゴシチニブ軟膏は、2歳以上の小児アトピー性皮膚炎に有効であり、有害事象も重篤ではなかった。


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