以下、論文紹介と解説です。

Spada F, et al. A daily regimen of a ceramide-dominant moisturizing cream and cleanser restores the skin permeability barrier in adults with moderate eczema: A randomized trial. Dermatologic Therapy; n/a:e14970.

18歳以上の中等症のアトピー性皮膚炎患者100人を、セラミドベースの保湿剤とその基剤にランダム化し、7日間ごとに28日間の経過を比較した。

■ 湿疹患者の皮膚バリア機能の低下は、角層のセラミドレベルの低下に起因すると考えられている。

■ 本研究の目的は、セラミドを主成分とする脂質ベースの保湿クリームと洗顔料の2つの製品が、プラセボと比較して、成人の中等症の湿疹の徴候と症状を28日間にわたって改善できるかどうかを調べることであった。

管理人注
試験製品は、
クリーム:QV intensive with ceramides light moisturizing cream (ceramide cream)
洗浄剤:QV intensive with ceramides hydrating body wash (ceramide cleanser)
プラセボクリームとプラセボクレンザーは、肌有効成分を含まない処方とされています。
管理人注
オーストラリアのSt George Dermatology and Skin Cancer Centreにおいて、計100人を対象としました。
組み入れ基準は
(a)18歳以上の男性または女性
(b)Hanifin & Raijkaの基準に従って少なくとも1年以上臨床的に診断された湿疹、EASIで評価された中等症の重症度(スコア10~20)
(c)結果を妨げる可能性のある皮膚科的または全身性の疾患がない
(d)試験参加を妨げたりリスクを高めたりする可能性のある急性または慢性の疾患がない。

研究フローチャート。

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■ 評価は、試験開始時とその後7日毎に実施された。

Eczema area severity index(EASI)スコアは、試験開始時に比較し両群ともすべての時点で有意に低下したが(P < 0.0001)、28日目には両群間で有意な低下は認められなかった(P = 0.7804)

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■ 一方、経皮水分蒸散量や角質水分量は、介入群では時間の経過とともに有意に改善したが、プラセボ群では変わらないか悪化した(それぞれP = 0.0342、P < 0.0001)

論文より引用。介入群(セラミドクリーム)の方が、プラセボ群よりもTEWLが低下(バリア機能改善を示唆)。

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論文より引用。介入群(セラミドクリーム)の方が、プラセボ群よりも角質水分量が上昇。

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■ レスキュー薬としてのモメタゾンフランカルボン酸エステルの使用については、両群間に有意差はなかった(P = 0.1579)

論文より引用。介入群(セラミドクリーム)とプラセボ群でステロイド外用薬の使用量に差はない。

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■ Dermatology Life Quality Index(DLQI)スコアは、両群とも有意に改善し(P < 0.0001)、両群間に差はなかった(P = 0.5256)。

■ しかし、痒みの改善、皮膚の乾燥、皮膚の柔らかさや滑らかさなどのいくつかのパラメータについては、プラセボ群に比べて介入群の方が患者満足度が高かった(すべてP < 0.05)。

■ 有害事象(AE)により試験を中止した患者はおらず、重篤なAEも発生しなかった。

■ セラミドを主成分とする保湿クリームと洗顔料は、安全に皮膚の透過性を回復させ、成人の湿疹の徴候と症状を改善する。

 

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セラミド(保湿成分)が含有されていても、基剤のみでも、28日間のアトピー性皮膚炎の重症度に差はないが、セラミドがあったほうが、皮膚の機能は改善する。

■ 保湿成分がはいっていたほうが、基剤のみよりも皮膚の機能は改善するという結果でした。

■ さらに長期をみていけば、さらに差がでてくるかもしれません。

■ もちろん、セラミドがはいっていれば良いという意味ではありませんが、このような検討は、今後注視していったほうがよいのではないかと思っています。

 

今日のまとめ!

 ✅ アトピー性皮膚炎の治療において、保湿成分(セラミド)がはいっていたほうが、皮膚の機能は改善しやすくなるかもしれない。

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