アトピー性皮膚炎に対する保湿剤は、保湿成分を含むほうが効果的

2018年1月29日

Akerstrom U, et al. Comparison of Moisturizing Creams for the Prevention of Atopic Dermatitis Relapse: A Randomized Double-blind Controlled Multicentre Clinical Trial. Acta Derm Venereol 2015; 95:587-92.

保湿剤には、保湿成分は必要か?

■ よく頂く質問の中に、「ワセリンじゃいけませんか?」というものがあります。

 

※ 2018/1/29 一部加筆修正しました。

 

P: 2011年9月から2012年9月の18歳以上のAD患者172例
E: 尿素を含む保湿薬塗布 87例
C: 尿素を含まない参照薬 85例
O: 湿疹が再燃するまでの期間(180日まで観察)

 

結果

■ 体幹は1日1回のmometasone furoateクリーム(本邦非発売)および/または顔面、鼠径と腋窩のhydrocortisone creamクリームを使用した治療を行い、安定化してから維持フェーズに移行した。

■ 湿疹再燃のリスクは、尿素を含む製剤が37% (95%信頼区間 10-55%)低下し、再燃までの中央値も有意に延長した(22日vs15日; p=0.013)

論文から引用。保湿成分(尿素)が含まれている方が再燃率が低い。

 

コメント

■ よくワセリンを保湿剤と考えている患者さんがいらっしゃるが、ワセリンそのものには保湿成分は含有されていない。

■ あくまで油分の膜によって水分蒸散量を減らしているものになるが、この後、ワセリンもただの保護だけではないことを示唆する報告もあるので、一概にも言えない。

■ どちらにせよ、保湿剤同士を直接比較した研究は珍しい。

■ ただ、本研究結果では両群とも1ヶ月程度で多くが再燃しており、「効果があった」尿素製剤ですら60%以上再燃している。保湿剤の塗布する群、塗布しない群での比較研究があり(後日書こうと思います)、それと比べると再燃率がかなり異なる。

■ 再燃率は、その医療機関に受診している患者さんの重症度によっても大分違ってきそうな再燃率ではありそうだが。

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