以下、論文紹介と解説です。
Kruse L, Lor J, Yousif R, Pongracic JA, Fishbein AB. Coconut allergy: Characteristics of reactions and diagnostic predictors in a pediatric tertiary care center. Ann Allergy Asthma Immunol 2021; 126:562-8.e1.
ある3次医療施設において、ココナッツの検査結果が陽性であった患者のレトロスペクティブレビューを実施した。
背景
■ ココナッツアレルギーの臨床症状については、ほとんど知られていない。
■ そして、これまでの知見は、主に症例報告に基づくものである。
目的
■ ココナッツに対するアレルギー反応の特徴を明らかにし、臨床的なココナッツアレルギーを予測するための特異的免疫グロブリンE(sIgE)や皮膚プリックテスト(SPT)の診断カットオフ値を提案すること。
方法
■ 方法は、都市部の3次医療施設において、ココナッツの検査結果が陽性であった患者のレトロスペクティブチャートレビューを考慮した。
■ SPTとココナッツsIgEの確率曲線はロジスティック回帰により算出した。
結果
■ 275件の記録を検討した結果、69名がココナッツ反応を報告し、206名が感作のみまたは非アレルギーだった。
■ 反応は、授乳(n = 2)、接触(n = 10)、経口摂取(n = 57)で発生した。
■ 経口摂取による反応の約50%は、軽度/中度のアナフィラキシーを伴っていた。
論文より引用。保護者が報告したココナッツの経口摂取によるアレルギー反応(n=53)。
■ 臨床的反応と感作は、ココナッツ外用剤使用者でより一般的だった(2倍)(P = 0.02)。
■ 統計的に有意ではなかったが、アジア人およびアフリカ系アメリカ人患者では、ココナッツアレルギー対感作が多い傾向がみられた。
■ SPT陽性でアレルギーの可能性は約50%、sIgE陽性で約60%だった。
■ SPTで膨疹径9 mm、sIgEで58 kU of allergen/Lの場合、95%の確率で反応すると推測された。
論文より引用。
A:ロジスティック回帰から得られたココナッツSPTの膨疹サイズ(ミリメートル)におけるアレルギーの推定確率曲線。
B, ロジスティック回帰によるココナッツsIgE抗体価によるアレルギーの推定確率曲線。
C, ロジスティック回帰による、ココナッツsIgE抗体値における親の報告による中等度アナフィラキシーの推定確率曲線。
■ 木の実、豆類、種子類の感作は一般的だった。
■ マカデミアナッツは、ココナッツと最も強い相関を示した(r = 0.81, P < 0.001, n = 101)。
結論
■ ココナッツに感作している患者のアレルギー反応率は低いが、摂取による反応の半数はアナフィラキシーの基準を満たした。
■ 医師は,アレルギー反応とsIgEやSPTの診断的使用を認識すべきである。
ココナッツアレルギーは比較的稀なナッツ類アレルギーであるため、重要な報告と思われる。
■ ロジスティック回帰で求められた曲線は、例数も少ないですしちょっと当てにしにくいかもしれませんが、参考になるかもしれません(なぜ横軸が対数でないのだろう…?)。
■ また、マカデミアナッツと交差しやすいことは知りませんでした。

基本的に医療者向けで、申し訳ありませんが、質問には基本的にお答えしておりません。

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