子どもでも、気管支拡張薬の吸入薬の使用量が増えると、入院率などのリスクが増加するかもしれない

短時間作動性気管支拡張薬(SABA)の使いすぎは、喘息死亡率を上げる可能性がある。

■ 気管支喘息が『気道の慢性炎症』が基礎にあることが判明して以降、吸入ステロイド薬の普及がすすんで死亡率が大きく下がりました。

■ それ以前では、短時間作用型気管支拡張薬(SABA)の濫用により、死亡率がむしろ高まったことが背景にあり、抗炎症薬の有用度がさらにクローズアップされたのです。

■ その報告は、『ベロテック事件』として知られています。

■ 一方で、小児においてもSABAの過剰使用がリスクにつながるかどうかの報告は限られていました。

■ 最近、PAIにそのようなテーマでの報告がありましたので共有します。

 

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

2006~2015年に二次医療で治療を受けた喘息患者(18歳未満)を含むスウェーデンの全国医療登録データを利用し、SABAの所持本数とその後のリスクを評価したところ、

 ✅SABA容器の使用本数(0~2個に対して)は、追跡調査中の増悪リスクの上昇と関連していた(発生率比[95%信頼区間]0-5歳、6-11歳、12-17歳それぞれで1.35[1.29-1.42]、1.22[1.15-1.29]、1.26[1.19-1.34])。

 ✅この関連は、アレルギー併存疾患のない患者でより強かった(アレルギー併存疾患のない群:32%~44%のリスク増加 vs アレルギー併存疾患のある群:14%~21%)。

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