外用PDE4阻害薬であるロフルミラストフォームは、脂漏性皮膚炎に有効か？

PDE4阻害薬は、脂漏性湿疹に有効か？（抗真菌作用も含むか？）

■ 外用PDE4阻害薬ジファミラスト（モイゼルト）は、2022年に日本でも2歳以上の小児に使用できるようになりました。

■ そのようななか、外用PDE4阻害薬のひとつであるロフルミラスト（Roflumilast）の、脂漏性皮膚炎への効果が報告されました。

■ PDE4阻害薬の使い分けに有用な報告と思われ、共有します。

※現在、ロフルミラストは日本で使用できません。

Zirwas MJ, Draelos ZD, DuBois J, Kircik LH, Moore AY, Gold LS, et al. Efficacy of Roflumilast Foam, 0.3%, in Patients With Seborrheic Dermatitis: A Double-blind, Vehicle-Controlled Phase 2a Randomized Clinical Trial. JAMA dermatology 2023.

成人の脂漏性皮膚炎患者226人に対するロフルミラストフォーム0.3%を8週間使用し、安全性と有効性を評価した。

重要性

■ 脂漏性皮膚炎に対する現行の外用療法は、有効性や安全性において制約が存在する。

目的

■ 頭皮、顔面、体幹に侵される脂漏性皮膚炎の成人患者において、Roflumilast Foam 0.3%の安全性および有効性を評価することである。

研究デザイン、セッティング、参加者

■ この多施設（米国およびカナダの24施設）第2a相、並行群、二重盲検、車両対照臨床試験は、2019年11月12日から2020年8月21日まで実施された。
■ 参加者は、3カ月以上の継続期間を持つ脂漏性皮膚炎の臨床診断を受け、頭皮、顔面、体幹、および/または体表面積20%以下に影響を受ける、Investigator Global Assessment（IGA）スコア3以上（少なくとも中程度）の成人（18歳以上）患者であった。
■ データの解析は、2020年9月から10月にかけて行われた。

方法

■ ロフルミラストフォーム0.3%（n = 154）およびビヒクルフォーム（n = 72）を1日1回、8週間投与した。

主なアウトカムと測定方法

■ プライマリアウトカムは、8週目のIGAスコアがクリアまたはほぼクリアになり、ベースラインから2グレード改善されるIGAの達成だった。
■ セカンダリアウトカムとして、2週目および4週目のIGA成功、2週目、4週目、8週目の紅斑スコア0または1への改善、もしくは2グレードの改善、2週目、4週目、8週目のスコア0または1への改善、もしくは2グレードの改善、Worst Itch Numeric Rating Scale (WI-NRS) スコアのベースラインからの変動、試験開始時に4点以上のWI-NRSスコアを有する患者における4点以上の改善を達成するWI-NRSの改善があり、安全性と忍容性も評価された。

結果

■ 226名（平均年齢44.9［16.8］歳、男性116名、女性110名）がロフルミラストフォーム（n = 154）または基剤フォーム（n = 72）にランダムに割り当てられた。
■ 8週目には、ロフルミラスト投与群の73.8％（104例）がIGA改善を達成し、一方で基剤群は40.9％（27例）だった（P < .001）。

■ 2週目、初回の評価時点でのロフルミラスト塗布群のIGA成功率は、基剤群に比べ統計的に有意に高かった。
■ 8週目のWI-NRSの平均減少（改善）率は、ロフルミラスト群で59.3％（SD 52.5％）、基剤群で36.6％（SD 42.2％）だった（P < .001）。

■ ロフルミラストの忍容性は良好で、有害事象の発生率は基剤フォームとほぼ同等だった。

結論と関連性

■ 1日1回のロフルミラストフォーム0.3%塗布に関するこの第2a相ランダム化臨床試験の結果は、脂漏性皮膚炎に起因する紅斑、鱗屑、かゆみの治療における良好な有効性、安全性、忍容性を示しており、非ステロイド性の局所治療としてさらなる検討が必要であることを示唆している。

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