アレルギー疾患は、貧血のリスクを上げる?

アレルギー疾患は、貧血など他の病気とも関連している?

■ 貧血は小児でよく経験される病態です。

■ そして、他の病態、たとえば精神発達、運動などへも影響することも知られています。

■ 泣き入りひきつけ(憤怒けいれん)や、むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)にも影響します。

■ 一方、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息などのアレルギー疾患と貧血が関連する可能性が示されています。

Rhew K, Brown JD, Oh JM. Atopic Disease and Anemia in Korean Patients: Cross-Sectional Study with Propensity Score Analysis. Int J Environ Res Public Health 2020; 17.

2016年に韓国の国民健康保険制度を少なくとも1回利用した146万8033人の患者を対象に、傾向スコアによる重み付けを用いた横断研究を行った

背景

■ アトピー性疾患は慢性炎症と関連しており、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患、炎症性腸疾患などの炎症性疾患患者では貧血が報告されている。

目的

■ 本研究の目的は、アトピー性疾患が貧血のリスク上昇と関連しているかどうかを明らかにすることである。
■ 2016年に韓国の国民健康保険制度を少なくとも1回利用した無作為に選択された患者からなる健康保険審査評価院の請求データセットを用いて、傾向スコアによる重み付けを用いた横断研究を実施した。

■ アトピー性疾患(喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎)と貧血(鉄欠乏性貧血(IDA)および/または炎症性貧血(AI))との関連を検討した。

結果

■ 合計1,468,033人の患者がこの研究に組み入れられた。
■ IDA/AIの有病率は3.1%(45,681人)だった。
■ 傾向スコアによる重み付けの結果、非貧血群には46,958人、貧血群には45,681人の患者がいた。
■ アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息の患者におけるIDA/AIの有病率は、それぞれオッズ比(OR)1.40(95%信頼区間(CI)1.33-1.48、p<0.001)、1.17(95%CI 1.14-1.21、p<0.001)、1.32(95%CI 1.28-1.36、p<0.001)だった。

■ さらに、IDAの有病率はアトピー性疾患の数が多いほど増加した。

結論

■ IDA/AIの有病率は、人口統計学的特徴や他の危険因子を調整した後でも、アトピー性疾患のある患者で高かった。
■ IDAとAIを区別し、炎症性疾患患者における貧血の病因について理解を深めるためには、さらなる研究が必要である。

 

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