フルチカゾン(フルタイド)単独とフルチカゾン+サルメテロール(アドエア)の安全性評価比較試験: 大規模ランダム化比較試験

2017年5月29日

Stempel DA, et al. Serious Asthma Events with Fluticasone plus Salmeterol versus Fluticasone Alone. N Engl J Med 2016 (in press). 

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26949137


今回は画像のアップロードに挑戦してみました。


P: 2011年11月から2015年7月 33ヶ国 710施設から、12歳以上の中等症から重症の持続性喘息患者11679名
E: フルチカゾン(FP)+サルメテロール(SM)併用群=アドエア 5834例
 FP 100μg/SM50μg or FP 250μg/SM50μg or FP 500μg/SM50μg
C: フルチカゾン(FP)単独=フルタイド 5845例
O: 26週間のイベントの差
 1) プライマリ安全エンドポイント:初めての重大な喘息関連のイベント(死亡、気管内挿管、入院)
 2) プライマリ有効性エンドポイント:初めての重篤な喘息増悪

結果

67人に74の重篤な喘息関連イベントがあり、FP/SM群34名(36イベント)、FP単独群33名(38イベント)だった(喘息関連の死亡はなかったが、FP単独で2例は、喘息関連の挿管を要した。)
1) FP/SM群の重篤な喘息関連イベントのHRは1.03(95%信頼区間0.64 -1.66; p=0.003)で、非劣性だった。
図は論文から引用


2) 重症の喘息発作のリスクはFP単独群よりもFP/SM群で21%低かった(HR0.79; 95%信頼区間 0.70- 0.89)。
少なくとも1回の重度の喘息発作を起こしたの はFP/SM群5834人中480人(8%)、FP単独群5845人中597人(10%)だった(P<0.001)。

コメント

SNSスタディとSMARTスタディは、LABA(サルメテロール;商品名セレベント)の定期使用が重篤な喘息イベントリスクを増加させることを指摘していた。ただし、それらの試験では吸入ステロイド(ICS)吸入との併用は必須でなかった。
そこで、これまではLABA単独使用を避け、”LABAはICSとの併用で安全”という現在の方針が指導されてきた。
しかし、十分な説明はエビデンスは提示できていなかったため、この研究はFDAから要請があったと記載されている。
本研究は、FPとLABA併用であればFP単独と比較して安全性は劣らず、さらに重症喘息発作の発生頻度を減らすことができるとまとめることができる。この類のICS/LABA併用が安全かどうかを確認する試験は、FDAより各メーカーに指示されているようなので、今後他のメーカーのICS/LABA合剤に関する研究結果がでてくることが予想される。しかし、これ以上の大規模スタディを組むことは現実的に困難だろう。
もちろん、12歳以上のスタディではあるため、小児科医として慎重には使用すべきとは思うが、今回のエビデンスは長く使用されると思われる。

評価:
倉原 優
中外医学社

¥ 5,616

(2016-04-07)
コメント:文献が巻末ではなく併記されているのが、論文を確認しやすくて個人的には好みです。この本はそのようになって読みやすいですね。

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