喘息児は、解熱鎮痛薬(NSAIDs)に対する過敏反応が多いかもしれない

Guvenir H, et al. The Frequency of Nonsteroidal Anti-Inflammatory Drug Hypersensitivity in Children with Asthma. Int Arch Allergy Immunol 2018.[Epub ahead of print]

NSAIDsとは、アスピリンに代表される解熱鎮痛薬です。

■ NSAIDsはアスピリンに代表される、「非ステロイド系抗炎症薬(解熱鎮痛薬)」です。薬物過敏症の中でも多いもののひとつで、 21–25% に上るという報告もあります。

Hypersensitivity to nonsteroidal anti‐inflammatory drugs (NSAIDs) – classification, diagnosis and management: review of the EAACI/ENDA and GA2LEN/HANNA

 

喘息の診断を受けた児に対し、NSAIDsの過敏症の既往を特定し、喘息の既往がある群と、対照群で比較した。

背景

非ステロイド性抗炎症薬 (Nonsteroidal anti-inflammatory drugs; NSAIDs)は、小児における過敏反応を引き起こす2番目に多い薬物である。

成人患者のNSAID過敏症(NSAID hypersensitivity; NSAID-H)の危険因子の1つは喘息である。

■ しかし、喘息児におけるNSAID-Hをを評価する研究は限られている。

■ 我々の目的は、確認されたNSAID-Hの頻度を評価し、喘息児におけるNSAID-Hの分類を評価することだった。

 

方法

小児アレルギークリニックで喘息の診断を受けた患者に対し、NSAID-Hを評価した。

■ 患者は、NSAIDsを使用したかどうか、そしてNSAIDsに何らかの反応を経験したかどうかについて質問された。

■ 対照群は、NSAIDの使用に対する反応についても質問された。

 

結果

喘息児 976人および健常児2,000人が、この研究に含まれた。

■ 喘息児の平均年齢は10.61±4.21歳、男児59.5%だった。

NSAIDsに対し反応した既往歴は10人(1%)にあった。

NSAID-Hは、被疑薬で負荷試験を実施した9人(0.9%)で確認された。

■ これらのうち6例が「NSAIDs単独による誘発蕁麻疹/血管浮腫またはアナフィラキシー」と分類され、3例が「NSAIDsにより悪化した呼吸器疾患」と分類された。

■ 対照群では、1人のみがアセチルサリチル酸に対する反応歴を有したが、負荷試験では誘発されなかった。

 

結論

NSAID-Hは対照群よりも喘息児でより頻繁に見出された

■ 喘息児は、病院訪受診中に、NSAIDsに対する反応を評価する必要がある。

 

結局、何がわかった?

 ✅ 喘息児 976人および健常児2,000人に関し、NSAIDs過敏の既往があり負荷試験で特定されたのは9名(0.9%)であり、全員喘息児だった。

 

 

喘息の既往がある場合は、NSAIDsに注意した方が良さそうだ。

■ アセトアミノフェンはアスピリン過敏症とはあまり交差しません(2~10%)。

■ 本邦では、小児に対するアセトアミノフェン以外ははほとんど使いませんのであまり問題になりにくいのですが、イブプロフェンやインドメタシンはアスピリンと強く交差します(60~100%)ので、考慮しなければならなくなるでしょう。

 

created by Rinker
¥5,280 (2024/04/30 17:36:09時点 Amazon調べ-詳細)

今日のまとめ!

 ✅喘息のある年長児に対し、アセトアミノフェン以外を使用する場合には注意が必要かもしれない。

 

Instagram:2ヶ月で10000フォロワーを超えました!!!

Xでフォローしよう