オマリズマブ(ゾレア)は乳経口免疫療法の有害事象を抑制する

2017年11月16日

Wood RA, et al. A randomized, double-blind, placebo-controlled study of omalizumab combined with oral immunotherapy for the treatment of cow’s milk allergy. J Allergy Clin Immunol 2016;137:1103-10.

※ 2017/11/16 原著がフリーでアクセスできることを確認したため、図などを追加し、フォーマットなどを改定しました。

経口免疫療法の有害事象を減らす方法として、オマリズマブ(商品名ゾレア)が有力視されています。

■ 食物経口免疫療法は、有害事象がもっとも問題となります。

■ 有害事象を減らす方法として、オマリズマブ(商品名ゾレア)有力視されています。

 

P: 食物負荷試験(OFC)で証明された7-32歳の牛乳アレルギー患者57例
E: 4ヶ月の増量+以降の維持相28ヶ月まで オマリズマブ併用
C: 4ヶ月の増量+以降の維持相28ヶ月まで プラセボ投与
O: 28ヶ月(オマリズマブ中止時)、32ヶ月時点(オマリズマブ中止後8週間経口免疫療法[OIT]を継続、さらに8週間中断)での乳負荷試験クリア率

 

結果

■ 乳蛋白は0.07mgから開始して漸増フォーズに入り、、維持フェーズとして520mgの乳蛋白(15ml乳相当)まで増量した。

■ 目標用量は3.3gから研究途中に3.8gに変更された。

28ヶ月時点での乳蛋白負荷試験クリア率は、オマリズマブ群24名(88.9%)、プラセボ群20名(71.4%)で有意差はなかった(p=0.18)

■ 一方で有害事象はオマリズマブ群で有意に少なかった(2.1% vs 16.1%, P =.0005)


論文から引用。増量中の副反応が少ない。

 

論文から引用。維持期の副反応も少ない。

■ 用量増加時の有害事象もオマリズマブ群で有意に少なかった( 0.0% vs 3.8%, P =.0008)。

 

オマリズマブ(ゾレア)は、牛乳経口免疫療法の有害事象を減らすが、免疫療法の有効率はあげないようだ。

■ オマリズマブ(ゾレア)を併用することにより、経口免疫療法(OIT)の成功率が上がるかどうかを検討した論文ですが、残念ながら成功率に有意差はありませんでした。

■ しかし、有害事象が少なくなったことは確かです。朗報と言えましょう。

■ また、この後、ピーナッツにおける経口免疫療法では、オマリズマブが成功率も、有害事象も減らした、という報告があります。やはり牛乳の経口免疫療法は難しい面があるのかもしれません。

■ ただし、治療期間もとても長く、オマリズマブは極めて高価な薬剤なので、現実的に使用できるかどうかは医療経済的な側面も考えねばならないのが実情といえるかもしれません。

■ また、オマリズマブによる有害事象の抑制効果は、時間とともに失われる可能性が報告されています。