短時間作用性β刺激薬(SABA)の濫用を戒める、『ベロテック事件』。
■ 今回は、やや古い報告です。
■ フェノテロール(商品名ベロテック)は、短時間作用性β刺激薬の1種です。
■ まだ、気管支喘息の本態が『気道の慢性炎症』と十分わかっていなかった時代に、短時間作動性β刺激薬のなかでも『効果が良い薬』として汎用されていました。
■ しかし、1970年代にニュージーランドでベロテックの濫用により、かえって喘息で亡くなる方が増えたのではないかという研究結果が発表され、現在は下記のような文面が添付文書に記載されています。
ベロテックの添付文書情報から引用。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
1989年にフェノテロール(商品名ベロテック)が、ニュージーランドでの喘息死を増やす原因になったという報告がなされ、使用制限がかかった。
✅ フェノテロールの使用制限後、喘息による死亡率は半減し、さらに3年間低いままとなった。
✅ 経時的な死亡率のトレンドに関するデータは慎重に評価すべきではあるが、フェノテロールがニュージーランド喘息死亡率の異常発生の主な原因であることと一致した。
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