Garmhausen D, et al. Characterization of different courses of atopic dermatitis in adolescent and adult patients. Allergy 2013; 68:498-506. 

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23452057


以前海外の学会で聴講していて出てきた文献。
アトピー性皮膚炎の予後に関し、成人を中心に診療している皮膚科医の先生から、小児科医へのメッセージのような気もしました。


P: ドイツ・ボン大学の皮膚科とアレルギー科に受診したアトピー性皮膚炎(AD)患者725例(男293名、女性432名; 12-89歳; 32.±14.0歳)
E: -
C: -
O: 発病年齢、総IgE、特異的IgE(ダニ、シラカバ花粉、ネコふけ、ヘイゼルナッツ、ピーナッツ、乳、鶏卵、リンゴ、タラ、アスペルギルス、カンジダ、ピティロスポリウム)、臨床所見とHanifinとRajka基準、Diepgen score、SCORADにより、サブグループ分類できるか

結果


20歳より年少の患者は性差を検討するのみで使用され、20歳以降607例で検討された。
Wuthrich分類に基づき5つのフェノタイプに分類(Subgroup I; 2歳までに発症、Subgroup II; 2歳から6歳までに発症、Subgroup III; 6歳から14歳までに発症、Subgroup IV; 14歳から20歳までに発症、Subgroup V; 20歳以降に発症)。
感作数、総IgE値と皮膚病変の部位などでロジスティック解析を行い、アトピー性皮膚炎の自然経過が異なる31の臨床像が示された。
最も多いのは5型(31.1%; 2歳までに発症し成人まで持続する)。
以降、順に
31型(18.5%;20歳以降に発症)。
20型(13.8%;2-6歳で発症し成人まで持続する)。
30型(12.7%;14歳から20歳までに発症し成人まで持続)
27型(9.6%;6歳から14歳までに発症し成人まで持続)
だった。
5型と他のよく診られる型では、5型がもっとも食物不耐症(≒食物アレルギー)を罹患していた。
さらに5型は31型に比べ、鼻結膜炎(P < 0.0001)、乳痂(P < 0.0001)、ヘルトゲ徴候(P = 0.0091)、デニー-モーガン眼窩下皺(P = 0.001)、眼の周囲の色素沈着(P = 0.0007)、白色皮膚描記症(P = 0.0031)、気管支喘息(P < 0.0001)が有意に発生していた。また5型が最も総IgEが高かった。

コメント


2歳までに発症した児がその後症状が持続して成人に達する群が最も多く、他の年齢で発症した群も成人まで持続していることがわかったのは有益でした。
結局、成人で診療を受けているアトピー性皮膚炎疾患全体を見て、小児期に発症したアトピー性皮膚炎を成人以降まで持ち越している群が過半数に達するということになるでしょう。
さらに、最も長くアトピー性皮膚炎に罹患している方々が、最もアトピー性皮膚炎の特徴所見を備え、総IgE値が高いといえます。
ただし、横断研究ですので、あくまで重症であった児が残ってしまっている可能性はあります(小児期に治った方々が含まれていない)。しかし、小児期の治療をより良くするべきと再認識しました。

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