皮膚バリア機能低下をきたしやすい素因を持っていると食物アレルギーを発症しやすい: コホート研究

2017年5月29日

Venkataraman D, et al. Filaggrin loss-of-function mutations are associated with food allergy in childhood and adolescence. J Allergy Clin Immunol 2014; 134:876-82 e4. 

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25174864


フィラグリンは角質層の形成に関与し、さらに天然保湿因子の生成にも関与します。アトピー性皮膚炎発症に対し、最も有力な遺伝子候補のひとつとされています。
ワイト島コホートは、たくさんの知見をもたらしている、有名なコホート研究です。


P: 1989年から開始されたWight島 (IOW)出生コホートに参加した 1536名中1456名を追跡評価。
18歳でも1313名(追跡率90.2%)。
E: フィラグリン遺伝子変異(Filaggrin loss-of-function; FLG-LOF)あり
C: FLG-LOFなし
O: 食物アレルギー(FA; [アレルゲン摂取後4時間以内の症状の病歴で評価])、食物アレルゲン感作(food allergen sensitization;FAS [皮膚プリックテストにより評価])

結果


FLG-LOF変異がある場合、食物アレルギーのリスクが10歳でオッズ比 31.46 [95%信頼区間 2.86-100]と18歳でオッズ比 4.25[95%信頼区間 1.55-11.61]になった。
また、乳児期の湿疹がすべての時期の食物アレルギーと食物アレルゲン感作に関係していた。

コメント


皮膚バリア能が低下する素因を持っていると食物アレルギーを発症しやすいということになり、その後長期にその影響が残ると理解できます。
先行研究と同様の結果ですが、それにしても18歳での追跡率が90%を超えているコホート試験は驚異的。
研究者らの熱意と努力を強く感じます。