Flohr C, et al., Lack of evidence for a protective effect of prolonged breastfeeding on childhood eczema: lessons from the International Study of Asthma and Allergies in Childhood (ISAAC) Phase Two. Br J Dermatol 2011; 165:1280-9.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21883137
ちょっと古い論文ですが、重要と考えられる論文ですのでUPさせていただきます。
P: 21ヶ国の8~12歳の小児51119名(ISAAC Phase II)
E: -
C: -
O: 母乳栄養はアトピー性皮膚炎(AD)を予防するか
結果
湿疹と母乳栄養に関する情報は、親に対するアンケートによって集められた。
「eczema ever(過去湿疹あり)」は、「breastfeeding ever(過去母乳栄養)」・「6ヶ月未満の母乳栄養」と弱い相関があった(それぞれ調整オッズ比 1.11[ 95%信頼区間 1.00-1.22]、オッズ比 1.10 [ 95% 信頼区間 1.02-1.20])。
2ヶ月未満の完全母乳栄養、2-4ヶ月の母乳栄養、4ヶ月以上の母乳栄養と、過去12ヶ月の湿疹徴候と感作に同様のリスクがあった。
より重篤な湿疹は、母乳栄養が、睡眠障害をきたす湿疹のリスクを減少(調整オッズ比 0.71, 95%信頼区間 0.53-0.96)させたが、4ヶ月以上の完全母乳栄養でその効果は失われた(調整オッズ比 1.02, 95%信頼区間 0.67-1.54)。
コメント
4ヶ月以上の完全母乳栄養は、アトピー性皮膚炎の予防効果が認められないとまとめられます。母乳栄養は重要ですが、長期完全母乳は必ずしもアトピー性皮膚炎を予防はしないということですね。
湿疹に関する英国母乳栄養ガイドラインは、再検討されねばならないと結ばれていました。