小児の軽症胃腸炎の経口補水に、うすめたリンゴジュースも使用できる

2017年12月12日

Freedman SB, et al., Effect of Dilute Apple Juice and Preferred Fluids vs Electrolyte Maintenance Solution on Treatment Failure Among Children With Mild Gastroenteritis: A Randomized Clinical Trial. Jama 2016; 315:1966-74.

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■ 今回は経口補水液の話題です。

* 2017/5/22に下記のブログからリンクをいただいたみたいです。古いブログ記事でしたから多少見やすいようにフォーマットを修正いたしました。

■ また、経口補水の方法などを記載したプリントを作りました。下の方にダウンロードできるようにしましたので、もしよろしければどうぞ。

 

PECO
P:2010年から2015年の10月から4月 カナダのトロント、オンタリオでリクルートされた生後6-60ヶ月の胃腸炎と軽症の脱水のある小児647例
E:2倍希釈リンゴジュース(本人が好む液体で希釈) 323例
C:リンゴ風味をつけた電解質維持液 324例
O:7日間の静脈輸液、入院、予定外受診、症状遷延、3%以上の体重減少もしくは著明な脱水

 

結局、何を知りたい?

 ✅子どもの胃腸炎に対して、経口補水液(OS-1のような脱水を予防・治療するための塩分・糖分濃度にした飲料)の代わりに、2倍に薄めたリンゴジュースが使えるかということを知ろうとしている。

 

 

結果

■ 参加者は平均月齢28.3ヵ月で、男児 331名(51.1%)であり、644例(99.5%)が追跡調査を完了した。

希釈したリンゴジュース群は、電解質維持液群に比較して、治療失敗が少なかった(16.7%対25.0%;絶対差-8.3%; 97.5%信頼区間[CI] ∞-2.0%; P < .001)

■ また、希釈リンゴジュース群は静脈輸液加療率が少なかった(2.5%対9.0%;絶対差、-6.5%; 99%CI 11.6%-1.8%)

■ 入院率、下痢・嘔吐頻度に有意差は認めなかった。

 

結局、何がわかった?

 ✅平均2歳4ヶ月の子どもに対して、希釈リンゴジュースは経口補水液に比較して治療失敗(静脈輸液・入院・予定外受診・症状の長引き・著明な脱水)に至る率が少なかった。

 

 

経口補水液を飲めないときは、100%リンゴジュースで半々にするといいかも。

軽症胃腸炎で脱水が軽度であれば、希釈リンゴジュースによる初期療法は電解質維持液と比較して治療失敗が少ないという結果で、多くの先進国では、本人が好む液体で希釈したリンゴジュースによって電解質維持液に代替に使用できるとまとめられていました。

■ 経口補水液(ORS)は決して美味しいものではありませんので、喜ばれる親御さん(本人も)は多いかと思います。

■ この結果を受けて、医療者側のアクションとしては、経口補水液とリンゴジュースを半々で混ぜるというのがいいのではないかと考えています。なぜなら、電解質や糖も必要かと思われるからです。実際、普段の診療では、「お茶だけのませていました」というお子さんで、低血糖や電解質異常をきたした方もしばしば見かけます。

■ もちろん、飲んでいただく量に関しての具体的なインフォメーションはさらに重要です。私は普段の診療では飲む量や間隔に関して体重ごとのプリントをお渡しするようにしています。

■ OS-1などに固執せず、飲めるものを飲んでいただくという方針もいいのかもしれません。実臨床では注意も要するでしょうけど、経口補水方法に一石を投じる論文となりそうですね。

 

↓↓経口補水用のプリント(ダウンロードできます)↓↓

経口補水液 指導箋_UL

体重の項目(オレンジの枠)に数字を入力すると、どれくらい飲めばいいかが具体的に分かります。

元論文(今回のブログで紹介した論文ではないです)では生後4ヶ月から4歳での検討ですが、体重20kgくらいまでは使用可能と思います。

あくまで脱水がひどくなく、脱水の進行リスクを減らして点滴になる率を減らすためのプリントです。

注; 林寛之先生の「Step Beyond Resident 4」を参考に、この論文の情報を加味して作成しています。

 

 

 

今日のまとめ!

 ✅経口補水液が飲めない場合は、希釈したリンゴジュースも一つの方法である。

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