確定診断されたFPIES(新生児・乳児消化管アレルギー)に、他の食物アレルギーは合併しているか?: 症例集積研究

■ 正確にはFPIES(Food Protein-Induced Enterocolitis Syndrome)と新生児・乳児消化管アレルギーは近い疾患ではあるものの、本邦と海外では分類が異なりますので、タイトルは正確ではないかもしれません。

■ しかし、わかりやすさを優先し、近い概念としてタイトルのように掲げることにします。

■ FPIESはミルクによるものが最も多い消化管アレルギーであり、本邦でも時折経験しますが、ミルク以外の食物も原因として合併することがあり、本邦の診断治療指針にも、「米、大豆、小麦などに対しても反応を起こすことがあるため、離乳食に備 えてこれらの負荷テストを家庭などで行うとよい」と記載されています。

■ 本研究は、イタリアからの報告でFPIES(大部分がミルクによる)に他の食物が原因として合併してるかどうかを検討した報告です。

 

P: 2013年10月01日から2015年9月30日に、FPIES(OFCで診断、もしくは、少なくとも2つの典型的な発症既往症状に基づく)の診断でローマのアコスチーヌ・ジェメッリ病院の小児アレルギー科を受診した4~11ヵ月の児  * 牛乳FPIES 13人、小麦FPIES 1人の計14人(男児6人、女児8人)。

E: まだ摂取したことのない「危険な」食品(レンズ豆、インゲン豆、大豆、エンドウ豆、小麦、米、鶏肉)の混合物を用いた経口負荷試験

C: –

O: 「危険な」食品に対するFPIESの頻度

 

結果

■ 除外基準は以下の通り。 (i)「危険な」食品(マメ科植物、穀類、鶏肉)の摂取歴、(ii) 免疫応答に基づく慢性疾患もしくは治療、(iii) 本研究に関与する同意がない。

■ FPIES(14人中6人がOFCで確定)の確定診断は平均6.9ヵ月、FPIES発症の初回エピソードは平均3.8ヵ月だった。

■ 確定診断における惹起された反応は、嘔吐(平均回数4.6回)、蒼白75%、傾眠75%、下痢28%、血圧低下が1例で観察された。

■ 登録された小児は、平均7.8ヵ月でマメ科植物(レンズ豆、インゲン豆、大豆、エンドウ豆)、穀類(小麦、米)、鶏肉、ヒスタミン、陰性対照で皮膚プリックテスト(SPT)が施行され、全例陰性だった。

■ 大さじ半分のレンズ豆(タンパク質約1g)、大さじ半分インゲン豆(タンパク質約1g)、大さじ1杯の大豆(タンパク質約2g)、大さじ半分のエンドウ豆(タンパク質約1g)、大さじ2杯の小麦(タンパク質約1g)、大さじ3杯の米(タンパク質約1g)、15gの鶏肉(タンパク質約3.5g)のすべての食品を蒸してスムージーにして単回の負荷試験を行い、4時間観察され、OFCをクリアした患者は、3ヵ月後に電話で確認された。

■ 結果として、14例全例で検査食物の耐性が確認されを解除された

 

本邦でのデータが必要だが、おもったより新生児乳児消化管アレルギーは単一の食物が原因であることが多いのかもしれない。

■ 結果としては、今回のマメ科植物、穀類、鶏肉における”混合”負荷試験では14人全員で陰性で、解除されたことになります。

複数食物によるFPIESは、米国に比較してイタリア・イスラエル・オーストラリアではそれほど一般的ではないそうです

■ 国や地域によって複数食物によるFPIESの頻度が異なるとなると、本邦でも同じような研究結果がほしいところですね。

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