アトピー性皮膚炎の重症度診断には単独より複数のバイオマーカーが良い?

 

 

 

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 今週は、各種バイオマーカー(特にTARC)とアトピー性皮膚炎の関連に関する報告のご紹介が続いています。

 昨日、単一のバイオマーカーとしてTARCが有用とするシステマティックレビューをご紹介いたしました。

 今回は、単一のバイオマーカーではなく、複数のバイオマーカーの組み合わせがアトピー性皮膚炎の重症度と関連するかどうかという報告です。

 

P: 中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者17人(男性6人、女性11人; 平均年齢33歳; SASSAD 20-54; 湿疹の体表面積 24-100%)
E: 31種類のの血液バイオマーカー
C: –
O: 単一もしくは複数のバイオマーカーと、アトピー性皮膚炎の重症度の関連

 

結局、何を知りたい?

✅血液バイオマーカーとアトピー性皮膚炎の重症度ということを知ろうとしている。

 

結果

 

 アトピー性皮膚炎(AD)はHanifin and Rajka基準に従って診断され、全員が総IgE値が高値だった(範囲:275-76942 IU/mL;平均 19006 IU/mL)。

 重症度は Six Area Six Sign Atopic Dermatitis (SASSAD) で評価され、症状のある部位の体表面積(body surface area ;BSA)も評価された。

 すべての患者は、強いステロイド外用薬(ヨーロッパ分類でクラスIII)を用いた治療を受け、経口免疫抑制性薬を内服している患者は、含まれなかった。

 血清サンプルは、病院入院時、約2週間の治療後に採取され(平均時間:12.8日)、サイトカイン分析は複合プラットフォームを使用して行われた。

 すべての患者は、ステロイド外用薬で臨床状態が有意に改善し、SASSADは、2週間の治療で36.9から8.0まで減少した。

 研究された31種類ののマーカーのうち、7種類は統計学的に有意に後減少し、TARC/CCL17、macrophage-derived chemokine(MDC/CCL22)、IL-22、pulmonary and activation-regulated chemokine (PARC/CCL18)、sIL-2Rで、soluble E-selectin(sE-セレクチン)、IL-16が含まれた

 SASSADに基づく重症度に対する最善の予測因子を見つけるために、TARC、MDC、PARC、IL-22、sE-セレクチン、sIL-2R、IL-16の治療前値を用いて一次結合が行われ、重症度を予測するための予測式を確立した。

SASSAD = -39.89 – 6.95×sex male +1.78×log(TARC)+ 9.12×log(PARC)+ 4.52×log(IL-22) – 2.51×log(sIL-2R)

 人口統計学的な特性(性)、TARC・PARC・IL-22・sIL-2Rの4種類を含む5つのパラメータを用いた多変量サインは相関係数0.856を示したが、単一のそれぞれのバイオマーカーの重症度に対する相関係数は0.415から0.742だった

 

結局、何がわかった?

✅アトピー性皮膚炎の重症度の予測は、単一のバイオマーカーより複数のバイオマーカーを使ったほうが予測精度が高くなる。

特に、性別・TARC・PARC・IL-22・sIL-2Rが予測に有用で、精度の高い予測式を作ることができた。

 

コメント

 

 バイオマーカーパネルが単一のバイオマーカーよりも、重症度と良好な相関を示すことが示唆された。

 この結果は、アトピー性皮膚炎がheterogeneous(不均一な)疾患であり、臨床的だけでなく血清バイオマーカー でも、単一のバイオマーカーでは予測しがたいことが示唆されたとされていました。

とはいえ、この4種類すべてをアトピー性皮膚炎の検査で行うことは現実的には困難ですし、こんな複雑な予測式を臨床で使えるかというと、、、難しいでしょうね。

 でも、この4種類がバイオマーカーとして有用とわかれば、今後の研究にも役立つことでしょう。

 

今日のまとめ

✅アトピー性皮膚炎の重症度の予測に関し、性別・TARC・PARC・IL-22・sIL-2Rの組み合わせが有用である。