生後24時間以内の経表皮水分蒸散量(TEWL)は成人と異なるか?

 

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 経表皮水分蒸散量(Transepidermal water loss;TEWL)は、皮膚バリア機能を反映する非侵襲的な検査の一つで、最近、いくつかの報告をご紹介しています。

 TEWLは年齢に応じ大きく変化することもわかっており、新生児では刻々と変化します。

 そこで今回は、生後24時間以内のTEWLを検討した報告をご紹介いたします。

 

P: 2012年10月から2012年12月S. Orsola Malpighi病院(ボローニャ大学;イタリア)で出生した新生児94人
在胎週数32.3-42.3週(平均39.2±1.8週)、出生時平均体重3.3±0.4kg
E: 生後24時間以内のTEWL
C: 成人対照
O: 健常新生児の24時間以内のTEWL

 

結果

 

 すべての新生児は、出生4時間、8時間後に同じ洗浄(水道水で洗、湿らせた綿タオルで穏やかに洗う)の処置を受けた。洗剤や類似の製品は使用しなかった。
 水温は、34°C~36.5°Cであり、洗浄後、新生児を毛布で軽く押し拭きし乾燥させた。薬物は一人も投与されず、遺伝的・内分泌的・血液学的・代謝性障害は認めなかった。
 成人対照は、24時間以内にシャワーを浴びるか、保湿剤を塗布している場合、乾燥もしくはアトピー性皮膚炎の場合は除外された。
 TEWLは、掌側前腕と膝窩で測定された。
 TEWLは開放式のTEWL測定装置(Tewameter TM 300; Courage & Khazaka, Cologne, Germany)が使用され、一定の気温(20°C – 24°C)と相対湿度(40% – 60%)を維持し、被験者は少なくとも15~30分間とどまってから測定された。
 94人の新生児において、TEWLは、平均16.1±7.8時間で測定され、掌側前腕のTEWLは平均T11.30±3.39 g/m2/hour、膝窩は10.95±2.96 g/m2/hourだった
 分娩様式によるTEWLの有意差は認めなかった。

 早産児 5人は、掌側前腕の平均TEWLが9.58±2.60g/m2/hour、膝窩8.18±0.96g/m2/hourだった。
 過期産児 1人は、掌側前腕5.1g/m2/hour、膝窩11.4g/m2/hourだった。
成人対照 33人において、平均TEWLは、前腕掌側側4.13±0.97 g/m2/hourと膝窩3.97±1.19g/m2/hourだった。

 

コメント

 

 新生児のTEWLは、成人より非常に高いとまとめられます。
 この理由として、角層がより薄い、顆粒層のコルネオサイトと顆粒層細胞がより小さい、細胞の代謝率が高い、角層の疎水性細胞外脂質マトリックスの組成が異なることなどが原因として挙げられていました。

 

今日のまとめ

✅新生児の皮膚バリア機能を測定するための研究も進んできていているが、時間とともに値が大きく異なることがわかってきた