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 血清TARCは、アトピー性皮膚炎の病勢をつかむのに有用で、すでに保険適応になっています。

 以前、外観上アトピー性皮膚炎がひどくなくても、軽症段階からTARCが上昇するという報告をご紹介いたしました。

外観上アトピー性皮膚炎がなくても、バリア機能に異常があればTARCが上昇する

 では、アトピー性皮膚炎以外へTARCはどれくらい適応できるのでしょうか?まだ十分わかっていない面があります。

 そこで今回は、TARCを重症薬疹の診断に応用できるかもしれないという報告をご紹介いたします。

 

P: 薬物関連と考えられる広汎な発疹を呈した84例(男性36人、2-99歳;平均年齢60.7歳)
E: 各種パラメータ(血清TARC、白血球数;好中球数;好酸球数;好塩基球数;単球数;リンパ球数;異型リンパ球数;赤血球数;ヘモグロビン;血小板数;血清総ビリルビン;総タンパク;アルブミン;AST;ALT;LDH;アルカリホスファターゼ;γ-GTP;CK;BUN;Cr;CRP;総IgE;eGFR)
C: -
O: 薬物過敏症症候群(Drug-induced hypersensitivity syndrome;DIHS)と各種パラメータ(特に血清TARC)は相関するか

 

結局、何を知りたい?

✅重症薬疹のひとつであるDIHSと、アトピー性皮膚炎の重症度と関係する血清TARC値に関係があるかどうかを知ろうとしている。

 

結果

 

 薬物関連と考えられた広汎な発疹には、DIHS、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)中毒性表皮壊死症(TEN)、斑丘疹状発疹(MPE)、多形紅斑(EM)、紅皮症、中毒疹が含まれ、DIHS6例、SJS/TEN5例、 MPE14例、EM37例、紅皮症5例、中毒疹17例だった。
 DIHS患者における血清TARCは、SJS/TEN、MPE、EM、中毒疹患者のTARCより高値だった。
 血清TARCの閾値を13,900pg/mLに設定すると、DIHSを診断するための感度100%、特異度92.3%だった。
 血清TARCは、年齢、白血球数(WBC)、好中球数、好酸球数、単球数、異型リンパ球数、血清BUN、クレアチニン(CR)と有意に相関した。
 また、血清TARCは、血清総蛋白(TP)、アルブミン(Alb)、推定糸球体濾過速度(eGFR)と負の相関があった。
 これらの臨床パラメータのなかで、好酸球が血清TARCと最も強く相関し、相関係数0.53だった。

 

結局、何がわかった?

✅DIHSは他の薬疹型より血清TARCが高く、13900pg/mLを超えていると、感度100%、特異度92.3%でほぼDIHSと言える

 

コメント

 

 薬物過敏症候群(Drug-induced hypersensitivity syndrome;DIHS)は、重篤な薬疹のひとつで、斑丘疹状発疹、遷延性の臨床症状、高熱、白血球異常、肝機能障害、リンパ節腫大、ヒトヘルペスウイルス6型(human herpes virus type-6;HHV-6)再活性化といった臨床像を示します。
 広範な薬疹患者においては、血清TARCと好酸球数は相関することがわかり、Th2免疫反応がTARC産生の基礎にあるとされていました。
 小児範囲では、DIHSを経験することは決して多くはありませんが、診断の際に血清TARCを参考にすることができると覚えておこうと思います。

 

今日のまとめ

✅薬物アレルギーの中でも重症薬疹の一つであるDIHSは、他の薬疹よりも血清TARCが高くなり、診断に役立つかもしれない。

 

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