百日咳の臨床的診断に有用な症状は何か?: システマティックレビュー&メタアナリシス

Moore A, et al. Clinical characteristics of pertussis-associated cough in adults and children: a diagnostic systematic review and meta-analysis. Chest 2017. [Epub ahead of print]

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■ 百日咳は、乳児期に重篤化することは周知の事実であり、一方ですでに成人の病気になりつつあることは多くの先生のご存じのとおりです。

■ 咳嗽の原因としても重要であり、年々報告が増加しています。

咳嗽に関するガイドラインから引用。20歳以上の百日咳報告は増えている。

■ そこで今回は、成人も含めた百日咳の臨床的特徴を検討したメタアナリシスをご紹介いたします。
PECO
P:2016年6月までCINAHL, Embase, Medline and SCI-EXPANDED/CPCI-Sを検索し抽出した、百日咳感染の診断精度を検討した41論文
E:-
C:-
O:百日咳の臨床診断として重要な症状は何か

 

結局、何を知りたい?

 ✅百日咳の臨床的特徴として重要な症状を、成人と小児を分けて知ろうとしている。

 

結果

■ 臨床的および人口統計学的特徴と共に、百日咳の診断精度を評価する9つの咳嗽の特徴をが検討され、百日咳の臨床診断を決める際に重要なキーとなる4つの特徴(発作性咳嗽、咳嗽後の嘔吐、吸気性whoop、発熱の欠如)が示された

成人患者において、発作性咳嗽と発熱の欠如は感度が高かった (それぞれ93.2%, CI 83.2-97.4と81.8%, CI 72.2-88.7 )が、特異度は低かった(それぞれ20.6%; CI 14.7-28.1と18.8%;CI 8.1-37.9)

咳嗽後嘔吐と吸気性whoopは、感度が低いが(それぞれ32.5%;CI 24.5-41.6と29.8%; CI 8.0-45.2)、特異度は高かった(それぞれ77.7%;CI 73.1-81.7と79.5%;CI 69.4-86.9)

小児患者において、咳嗽後嘔吐は、感度は中等度であり(60.0%; CI 40.3-77.0)、特異度は66.0%; CI 52.5-77.3だった

結局、何がわかった?

✅成人の百日咳では、発作性咳嗽の感度93.2%/特異度20.6%、発熱の欠如の感度81.8%/特異度18.8%だった → rule inに使える。

✅成人の百日咳では、咳嗽後嘔吐の感度32.5%/特異度77.7%、吸気性whoopは感度29.8%/特異度79.5%だった。 → rule outに使える。

✅小児の百日咳では、咳嗽後嘔吐の感度60%/特異度66.0%だった。

 

コメント

■ 成人患者において、whoopや咳嗽後嘔吐は、rule inに使用され、発作性咳嗽や発熱の欠如は、rule outに使用できるとし、小児患者においては、咳嗽後嘔吐は臨床診断査としてそれほど有効ではないと結論されていました。
■ この研究結果は、成人と小児における百日咳は異なることが示唆されます。

■ Limitationとして、このメタアナリシスの「小児」カテゴリーは、年長児と乳児を同様に含んでいることが挙げられていました。

■ Spin/Snoutといえるほどの感度/特異度ではありませんが、成人に関してはまずまずでしょう。。。って、小児科医としてはあんまり役に立たない、、

 

 

今日のまとめ!

 ✅成人患者において、whoopや咳嗽後嘔吐は、rule inに、発作性咳嗽や発熱の欠如は、rule outに使用できる。