ノロウイルスとロタウイルスにおける軽症胃腸炎関連けいれんの違いは?

軽症の胃腸炎にともなう、熱性痙攣に有効なジアゼパムが効きにくい痙攣があります。

■ 胃腸炎の流行がはじまっています。

 

■ そして小児に、ウイルス性胃腸炎に伴いけいれんを起こすことがあります。

■ 発熱もなく繰り返し起こすことがおおいため、てんかんや脳炎などの区別が必要となり、これまでは一番多い原因はロタウイルスによるものでした。

■ しかし、ロタウイルスワクチンが2020年10月に定期接種となり、今後、ロタウイルスによる軽症胃腸炎関連けいれんは減ってくることが予想されます。

■ 実際に、先にロタウイルスが普及した海外では、ロタウイルス関連痙攣が減り、ノロウイルスが相対的に割合が増えているようです(Wang D, et al. Prognostic factors for the recurrence of afebrile seizures after benign convulsions associated with mild gastroenteritis. Epilepsia 2021.)。

■ では、ノロウイルスとロタウイルスによる胃腸炎関連痙攣の臨床的な違いはあるでしょうか?

■ 最近の韓国からの報告を共有します。

 

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

ノロウイルスによる軽症胃腸炎関連けいれん(CwG)とロタウイルスによるCwGを比較するために、2005年3月から2014年2月までに得られたデータを比較したところ、

 ✅ノロウイルス関連のCwGもロタウイルス関連CwGも冬にピークとなったが、ノロウイルスCwGは春により少なかった(13.6% vs. 34.6%; P = 0.04)。

 ✅ノロウイルス関連CwGの方が嘔吐が多く(97.7% vs. 80.8%;P = 0.02)、ノロウイルス関連CwGの方が胃腸炎症状発現から発作発現までの時間が短かった(2.00 ± 1.06 vs. 2.58 ± 1.21日,P = 0.04)

 ✅ 群発発作はノロウイルス群でより頻繁に発生していた(79.5% vs. 57.7%)が、有意差はボーダーラインだった(P = 0.05)。

 

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