メタボリックシンドロームに睡眠不足が重なると死亡率が上がる

Fernandez‐Mendoza J, et al. Impact of the Metabolic Syndrome on Mortality is Modified by Objective Short Sleep Duration. Journal of the American Heart Association 2017; 6:e005479.

睡眠不足は健康を損なう

■ 日本人の睡眠は諸外国の中でも少ない方だそうです。

【寝すぎな国】日本や世界の平均睡眠時間を大調査【休めない国】

■ 睡眠不足が健康に悪影響なことは自明でしょう。しかし、今回興味深い結果を見つけたので、小児ではありませんがご紹介いたします。

PECO
P: Penn State Adult Cohort(睡眠障害に対するpopulation‐based研究)に参加した成人1344人(48.8±14.2歳)
E: メタボリックシンドローム(metabolic syndrome ;MetS)+6時間未満の睡眠
C: メタボリックシンドローム(metabolic syndrome ;MetS)+6時間以上の睡眠
O: 16.6±4.2年のフォーローアップ中の死亡率

 

結局、何を知りたい?

 ✅メタボリックシンドロームに睡眠不足が重なると死亡率があがるかどうかを知ろうとしている。

 

 

メタボリックシンドロームに睡眠不足が重なるとどうなるか。

■ メタボリックシンドローム(metabolic syndrome ;MetS)は、肥満(≧30 kg/m2)、総コレステロール高値(≧200 mg/dL)、トリグリセリド高値(≧150 mg/dl)、空腹時血糖高値(≧100 mg/dL)と血圧高値(≧130/85mm Hg)のうちの3つ以上の存在によって定義された。

■ 睡眠ポリグラフの睡眠期間を、臨床的に意味があるカテゴリーに分類した。

全原因のハザード比(95%CI)とMetSと関連している心血管疾患/脳血管関連死亡率は、6時間以上睡眠時間群で1.29(0.89-1.87)と1.49(0.75-2.97)、6時間未満睡眠時間群で1.99(1.53-2.59)と2.10(1.39-3.16)だった

■ この効果は、主にMetSの高血圧とブドウ糖調節不全因子によって引き起こされた。

 

論文から引用。 メタボリックシンドローム(metabolic syndrome ;MetS)と客観的な睡眠時間による生存曲線。

A:研究期間中の全原因死亡率の生存曲線。
B:研究期間中の心血管/脳血管死亡率の生存曲線。

睡眠時間が短く、かつMetSがあると死亡率が高くなる。

 

 

結局、何がわかった?

 ✅メタボリックシンドロームに睡眠不足(1日6時間未満)が重なると、平均16.6年の経過で死亡率が約2倍になる。

 

 

メタボと睡眠不足が重なると死亡率があがる

■ MetSに関連した死亡率のリスクは、短い睡眠期間で増強されるとまとめられます。

■ 機序として、MetSと短い睡眠時間は、自律神経のおよび代謝性機能不全との関連が大きくなる可能性があると述べられていました。

■ 睡眠不足は、肥満にも繋がるそうなので、この2つは重なりやすいと言えます。気をつけたいものです。

 

 

今日のまとめ!

 ✅1日6時間未満の睡眠不足は、メタボリックシンドロームの成人の死亡率を2倍にあげる。

 

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