新型コロナのパンデミック時、一般的な感染症の流行がすくなくなった。その時期には、川崎病も減ったことが報告されている。
■ 川崎病は、2012年のRAISE studyからステロイドの有効性が示唆され、ガイドラインが改定されるなど治療の発展がつづいているものの、病因に関しては十分に解明されたとはいえません。
■ 感染症がなんらかの影響をおよぼしていることは確かだろうと考えられていますが、新型コロナのパンデミック時に子どもの感染症の流行が低下したときに川崎病もへったことが報告されています。
■ 最近のJAMA Network Openの報告を共有します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
2010年1月から2020年9月までに韓国国民健康保険において川崎病と診断された0歳から19歳の個人を対象に、呼吸器系ウイルスと川崎病の時間的相関を検討したところ、
✅川崎病と1~3カ月前のライノウイルス感染症のアウトブレイクに、有意な相関が確認された(r=0.3,1カ月:P<0.001,2カ月:P<0.001,3カ月:P<0.001)。
✅RSウイルス感染症と川崎病のアウトブレイクは、2ヶ月間のずれで有意な相関が確認された(r = 0.5; 2か月; P < 0.001)。
✅ 川崎病のアウトブレイクと2カ月・3カ月前の水痘のアウトブレイクに、有意な相関が確認された(r = 0.7; 2カ月; P < .001; 3カ月; P < .001)。