プロトピック軟膏による長期治療は、皮膚のコラーゲン量や皮膚厚を改善する
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ステロイド外用薬の連日使用は皮膚の厚みを低下させる。ではタクロリムス(プロトピック)軟膏は?

■ ステロイド外用薬は、同じ箇所に連用すると、皮膚の厚みが低下し皮膚萎縮を起こし得ます。

■ その頻度を減らすとその副作用は出にくくなることはすでに報告されていますが、プロトピック軟膏は毎日の連用でも皮膚萎縮は起こしにくく、週2回の連用ではむしろ皮膚バリアが改善する可能性すら報告されています。

■ 今回は、プロトピック軟膏による長期治療は皮膚のコラーゲン量や皮膚厚も改善させるかもしれないという報告です。

 

 

Kyllonen H, et al. Effects of 1-year intermittent treatment with topical tacrolimus monotherapy on skin collagen synthesis in patients with atopic dermatitis. Br J Dermatol 2004; 150:1174-81.

成人のアトピー性皮膚炎患者56人を1年間タクロリムス(プロトピック)軟膏で治療し、皮膚のコラーゲンや皮膚厚を検討した。

背景

■ ステロイド外用薬は、短期間の治療中にコラーゲン合成を減少させ、長期間連用すると皮膚の萎縮を誘発し得る。

■ 対照的に、タクロリムス軟膏による短期療法はコラーゲン合成に影響しない。

 

目的

■ この研究の目的は、中等症〜重症のアトピー性皮膚炎(atopic dermatitis; AD)のある成人に対するタクロリムス軟膏(0.1%)のコラーゲン合成と皮膚の厚さに対する長期効果を評価し、その所見を従来のステロイドによる治療法の効果と比較することだった。

 

方法

アトピー性皮膚炎(AD)患者 56人を、1年間のオープンラベル前向き臨床試験によりタクロリムス軟膏(0.1%)で治療した。

従来のステロイドによる治療を適用した36人および健康対照者27人をリクルートした。

■ プライマリエンドポイントは、試験開始時と12ヶ月間のラジオイムノアッセイにより測定されたプロコラーゲン・プロペプチドIおよびIIIの濃度変化だった。

■ 追加されたエンドポイントには、試験開始時と12ヶ月において超音波で測定した皮膚厚の変化が含まれた。

 

結果

■ 試験開始時のプロコラーゲン・プロペプチド値は、健常対照群よりもタクロリムス軟膏治療群で有意に低かった。

■ タクロリムス軟膏による1年間の治療は、コラーゲン合成の増加と関連していた。

■ そして、プロコラーゲン・プロペプチド増加の中央値は272μgL-1(+ 140.9%、P <0.001)であり、皮膚厚の有意な増加を伴った

■ 可視的な皮膚萎縮のある3人において、この状態は改善された。

ステロイドによる治療は、コラーゲン合成に有意な効果を示さなかった

■ プロコラーゲン・プロペプチドレベル増加の中央値は11μgL-1(+ 3.9%)だった。

■ 皮膚厚の有意な減少が示された。

 

結論

■ AD患者に対するタクロリムス軟膏の長期治療は、皮膚萎縮をおこさずステロイドによる皮膚萎縮を改善させる。

 

 

結局、何がわかった?

 ✅ タクロリムス(プロトピック)軟膏で1年間治療を行うと、皮膚のプロコラーゲン・プロペプチドが140.9%増加し(中央値 272μgL-1(+ 140.9%、P <0.001)、皮膚厚が有意に増加した。

 ✅ ステロイド外用薬による治療では、皮膚のプロコラーゲン・プロペプチドに有意な増加はなく、皮膚厚は低下した。

 

初期治療の後のステロイド外用薬は回数を減らしたり、プロトピック軟膏の変更や併用を積極的に考えていった方が良いでしょう。

■ 皮膚の炎症は、IL4/13を介してさらに皮膚バリアを低下させることが報告されています。

■ ですので、ステロイド外用薬による治療だけでなくアトピー性皮膚炎そのものが皮膚のバリアを加速していくことになります。

■ ステロイド外用薬による初期治療と、炎症を抑えるための間欠的な使用がいけないわけではありませんが、年齢的な制限がなければプロトピック軟膏への切り替えは常に念頭に置くべきでしょう。

■ もちろん、現在開発中の、別機序のある外用薬も期待したいところです。

 

 

今日のまとめ!

 ✅ プロトピック軟膏による1年間の治療は、皮膚のコラーゲンや皮膚厚を改善させる。

 

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