アトピー性皮膚炎に対する抗ヒスタミン薬は、かゆみを抑える作用も一部期待されるが、ステロイド外用薬を減量する効果を目標にされます。
■ 私は、アトピー性皮膚炎に対する抗ヒスタミン薬に関して、「かゆみを抑える作用はさほど強くはありませんが、ステロイド外用薬を減らしやすくなるために使用しています。ただ、アトピー性皮膚炎に対する治療としては外用薬が中心で、安定すれば中止を目標にします」とお話ししています。
■ やや古いですが、その根拠となる報告のひとつをご紹介します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
アトピー性皮膚炎に罹患したハイリスクの病歴がある乳児817人(生後12~24カ月)に対し、セチリジン(ジルテック)またはプラセボのどちらかで18か月間使用し、アトピー性皮膚炎の重症度などを比較したところ、
✅ 中程度から強いランクのステロイド外用薬の使用期間は、統計学的有意差はなかったものの、セチリジン群のほうが少なかった。
✅ SCORADが25以上(中等症以上)の乳児のサブグループで評価すると、このステロイドの減量効果が統計的に有意だった(セチリジン群 vs プラセボ群 35.1 vs 25.8; p=0.014)。
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