以下、論文紹介と解説です。

Xu S, et al. Consumer Preferences, Product Characteristics, and Potentially Allergenic Ingredients in Best-selling Moisturizers. JAMA Dermatol 2017; 153:1099-105.

3つの大手オンライン販売小売りで最もよく売れている保湿剤のトップ100製品のデータを使用し、製品の性能特性と成分を検討した。

重要

■ 保湿剤の使用は多くの皮膚疾患の予防と治療に重要であるため、患者はしばしば皮膚科医に製品の推奨はどれかを尋ねる。

 

目的

■ 製品の性能特性と最もよく売れている保湿剤の成分を測定する。

 

研究デザインとセッティング

■ このコホート研究では、3つの大手オンライン小売り(Amazon、Target、Walmart)で最もよく売れている全身用保湿剤のトップ100製品に関する公的に入手可能なデータを用いた。

■ 特定の部位(例、顔面、手、眼瞼)に使用する目的で市販されている製品は除外した。

 

主なアウトカムと測定結果

マーケティング的な主張(例、皮膚科医推奨、無香料、低刺激性)と、北米接触皮膚炎グループ(North American Contact Dermatitis Group ;NACDG )シリーズに示された含有成分に基づき、重量(オンス)当たりの中央値の比較を、ウィルコクソン順位和検定を用いて行った。

■ 基剤の種類(例、軟膏、ローション、クリーム、バター)の影響はKruskal‐Wallis試験を用いて評価した。

■ 香料における交差反応性成分や植物は、米国接触性皮膚炎学会(American Contact Dermatitis Society)接触アレルゲン管理プログラム(Contact Allergen Management Program)データベースから得た。

 

結果

■ 計174のベストセラー保湿剤製品が特定され、2016年8月の時点で109713レビューがあった。

重量(オンス)当たりの中央値は0.59ドル(範囲 オンス当たり$0.10~$9.51)で、大きな幅があった(9400%)

■ 最も一般的な剤型はローション剤(102製品[59%])であり、続いてクリーム剤(22製品 [13%])、オイル剤(21製品[12%])、バター剤(14製品[8%])、軟膏(3製品 [2%])だった。

ベストセラー保湿剤製品のうち、NACDGアレルゲンを含有していないのは12%(21製品)のみだった。

■ 香料ミックス(87製品)、パラベンミックス(75製品)、トコフェロール(74製品)が、最も一般的なアレルゲンの3種だった。

■ 製品主張「皮膚科医推奨」製品は、主張のない製品(0.59ドル; IQR $0.34~$0.92)よりも重量(オンス)当たりの中央値が高価だった(0.79ドル; 四分位範囲 [IQR] $0.56~$1.27)。

■ 製品主張「フタル酸無添加」製品は、主張のない製品(0.59ドル; IQR、$0.35~$0.91)よりも重量(オンス)当たりの中央値が高価だった(1.38ドル;IQR、$0.86-$1.63)。

■ ローション剤(中央値 0.49ドル;IQR 0.31-0.68ドル)は、バター(中央値 1.2ドル;IQR $0.76~$1.63)、クリーム(中央値 0.8ドル; IQR $0.69-$1.25)、オイル(中央値 1.3ドル; IQR $0.64~$2.43)よりもオンス当たりの価格が統計的に安価だった。

■ 製品主張「無香料」製品は、18製品(45%)は少なくとも1種類の交差反応のある芳香剤もしくは植物成分を含有していた。

■ NACDGに成分が示されていない製品(中央値 0.83ドル; IQR $0.47-$1.69)は、アレルゲンが1種類以上含む製品(中央値 0.6ドル; IQR、$0.35~$1.06 )と比較して、オンス当たりの価格が統計的な有意差はなかった。

 

結論と妥当性

■ 最もよく売れている保湿剤は、価格や製品特性によって大きく異なる。

■ 皮膚科医は、保湿剤の有効性に関しすぐ利用できる比較データが不足していることを考慮し、推奨するにあたり、消費者の好み、価格、アレルゲン性のバランスをとるべきである。

 

 

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”無添加”の定義なども含め、まだ勉強しないといけない点は多そうだ。

■ 香料は、アトピー性皮膚炎のある幼児にとって、その後の接触皮膚炎のリスクが高くなることが示されています。

■ また、ジャパニーズスタンダードパネル検査にははいっていませんがトコフェロール(ビタミンE)は感作成分として重要になっていました。

■ なお、以前PAE(小児アレルギーエデュケーター)であり薬剤師の青野珠可先生(杏林堂薬局)に教えて頂いたのですが、無添加の基準は下記なのだそうです(無添加の定義はないそうです)。

 

無添加の基準
無添加=「合成香料不使用」「合成香料不使用」「無鉱物油」 「 パラベンフリー」「ノンアルコール」「石油系界面活性剤フリー」  6種類のうち4種類以上を実現しているもの
※↑この表現↑に関して、青野先生からご連絡をいただきましたので、追記いたします。あくまで花王が決めたことなんですねえ、、勉強になりました!
2019/9/15追記
※青野先生から連絡をいただきました。以下修正・追記させて頂きます。
無添加=「合成香料不使用」「合成着色料不使用」「無鉱物油」「パラベンフリー」「ノンアルコール」「石油系界面活性剤フリー」6種類のうち4種類以上を実現しているもの
の表現は、花王が出している無添加シリーズの定義であって、花王が決めたことなんです。
無添加って、統一基準がそもそもないわけで・・・基準と表現すると誤解を与えてしまうかと

 

■ 香料がないと市販製品の売れ行きは芳しくなくなるそうで、香料もなしというわけにはいかないこともありそうです。

■ 市販製品(保険で使用できる製品も)、もっと検討が必要なようです。

 

今日のまとめ!

 ✅ 市販の保湿剤に添加されている成分に関し、検討はまだまだ必要そうだ。

 

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