幼児期のアトピー性皮膚炎は、その後の接触皮膚炎の原因になるか?

アトピー性皮膚炎は、その後の接触性皮膚炎のリスクになるか?

■ たとえば、医療者はラテックス(ゴム)アレルギーが多くなりますが、それは手洗いとゴム手袋を使う機会が多いからになります。

■ 接触皮膚炎が多くなるといえますが、では、幼児期のアトピー性皮膚炎はその後の接触皮膚炎を増やすのでしょうか?

 

Lagrelius M, et al. Atopic dermatitis at preschool age and contact allergy in adolescence: a population-based cohort study. The British journal of dermatology 2018.

集団ベースのコホート試験に参加した16歳の小児 2215人の接触性皮膚炎と、未就学時のアトピー性皮膚炎との関連を調査した。

背景

■ アトピー性皮膚炎(Atopic dermatitis ; AD)は、皮膚バリアの障害によって特徴づけられ、アレルゲンの侵入が促進されることがある。

■ ADが接触性アレルギーを発症するリスクに影響するかどうかは明らかではない。

 

目的

■ 幼児期のADと16歳時の接触性アレルギーとの関連性を検討する。

 

方法

■ 集団ベースのコホート試験であるBAMSEに参加した、16歳 2215人の青年が含まれた。

■ これらの青年は、小児期を通してADに関する反復されたアンケートを受け、それに続き、16歳で接触アレルギーに関し皮膚パッチテストによって評価された。

 

結果

16歳の男児において、就学前の年齢におけるADは、検査された物質に対し少なくとも1種類(調整オッズ比[adjusted odds ratio; OR] 1.51,95%信頼区間1.03-2.20)の接触アレルギーと関連していたが、女児では認められなかった(調整オッズ比 0.77; 95%CI 0.54-1.10)

■ 就学前のADは、男女ともにニッケルに対する接触性アレルギーと関連していなかった。

■ 一方、就学前のADは、フレグランス混合物 Iに対する接触アレルギーと関連していた(調整OR 3.10,95%CI 1.66-5.80)

■ この関連は、吸入/食物アレルゲンに対する免疫グロブリンE(IgE)感作と組み合わせた就学前ADで特に観察された(調整OR 3.80,95%CI 1.67〜8.61)

 

結論

■ この結果は、幼児期ADは、青年期のフレグランス物質に対する接触性アレルギーに関連するが、ニッケルには関連しないことを示唆している。

 

結局、何がわかった?

 ✅ 未就学時のアトピー性皮膚炎は、16歳でのフレグランスに対する接触アレルギーのリスクを約3倍にし(調整OR 3.10,95%CI 1.66-5.80)、吸入アレルゲンや食物アレルゲンに感作されている場合はより強く関連がつよくなった。

 

これも経皮感作に基づく調査といえるでしょう。

■ アトピー性皮膚炎には手湿疹を合併するリスクが高くなりますし、経皮感作に基づく結果といえましょう。

■ 男児にはっきりでる理由はいまひとつはっきりしませんけど、、手湿疹などもはやめにプロペトたっぷり&手袋などで良くしたいところでしょう。

 

今日のまとめ!

 ✅ 幼児期のアトピー性皮膚炎は、その後の接触皮膚炎のリスクをあげるようだ。

 

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