電子タバコによると思われる、急性肺障害の報告。
■ 電子タバコは、使用している保護者さんが増えていることを感じます。
■ かなり少ない受動喫煙でも、子どもには影響が大きいことがわかっており、電子タバコでも個人的には勧められないと思っています。
■ 一方で、電子タバコが禁煙の補助になるのではないかというランダム化比較試験もあります(Hajek P, et al. N Engl J Med 2019; 380:629-37.)(私見としては、この報告は普通の紙巻きタバコが電子式に置き換えられただけであり、禁煙とはいえないのではとは思っていますが、、)。
■ すなわち、紙巻きタバコに比較して、健康に害が少ない(ハームリダクション)であるとか、禁煙する橋渡しになるといった考え方もあります。
■ さまざまな見解や論調があるといえるでしょう。
2019/9/9追記。バランスの良い投稿をTwitterでされているインヴェスドクター先生(https://twitter.com/Invesdoctor )先生や、Kay先生(https://twitter.com/GI_surgeon )のコメントを追加します。
↓以下追記↓
※「一方的に」電子たばこがダメという論調はどうかと私も思います。「偏らず論文を集めてスタンスを決めていくこと」が重要です。
※後半にも記載しましたが、電子タバコには非加熱式と加熱式があり、「電子たばこ」の論文の多くは非加熱式の製品であり、日本使用されている製品は「加熱式」です。
電子タバコと加熱式タバコの違いについては私も最近になって初めて知ったので、区別されていない方も多いのではないかと思います。
— Kay@消化器外科医&感染制御医 (@GI_surgeon) September 8, 2019
(手術症例のNCD登録において、電子タバコの項目が増え、問診票を改訂しようとして気付きました。ちなみに加熱式タバコについての独立した項目はありません。)
↑追記ここまで↑
■ そんな中、電子タバコによると考えられる、急性肺障害の症例シリーズ研究がNEJMに発表されました。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
2019年7月、ウィスコンシン州とイリノイ州で、電子タバコ使用に関連する肺疾患の報告を受け、『症状発現の90日以内に電子タバコ機器や関連製品の使用を報告しており、画像に肺浸潤があり、その病態が他の原因に起因していない』と定義された病態に関し調査が行われた結果、
✅ イリノイ州の調査データは、2019年の6月~8月の重症呼吸器疾患に関連した月間受診率が、2018年の同月の率の平均2倍になっていることを示唆した。
✅ 患者の年齢の中央値は19歳であり、94%が入院し、32%が挿管と人工呼吸が実施され、1人の死亡が報告された。
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