以下、論文紹介と解説です。
竹井 真理, 他. 牛乳アレルギー児に対する食品用乳糖の食物経口負荷試験の検討. 日本小児アレルギー学会誌 2015; 29:649-54.
即時型乳アレルギーの児42人に対する、食品用乳糖の食物経口負荷試験の結果を後方視的に検討した。
背景
■ 一部の牛乳アレルギー児を除き乳糖の摂取は可能であるとされているが,乳糖の除去を指導されることも多い.
対象
■ 2007-2013年に即時型牛乳アレルギー児を対象として行った食品用乳糖の食物経口負荷試験(以下OFC)42例の結果を後方視的に検討した.
方法
■ 乳糖3gを摂取後に明らかな客観症状が出現した場合を陽性,軽微な客観症状や主観症状は判定保留として自宅での再現性を確認した.
結果
■ 年齢中央値は53か月,19例(45%)に牛乳に対するアナフィラキシーの既往を認めた.
■ OFC陽性は2例(5%)で,それぞれ嘔吐や局所の蕁麻疹を認めるのみであった.
■ OFC判定保留10例,陰性30例の計40例は自宅で再度乳糖含有食品を摂取し症状の出現は認めなかった.
結語
■ 今回の検討から即時型牛乳アレルギー児の多くは乳糖の摂取が可能であることが明らかになった.
■ また乳糖のOFCでは重篤な症状の出現は認めず,このOFCを安全に施行することができた.
■ 乳糖を除去している牛乳アレルギー児に対しては乳糖の摂取が可能であることを確認することが望ましいと考えられた.
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乳アレルギーがあっても、乳糖を摂取できる場合は多い。
■ この研究に含まれている児はかなり重篤な乳アレルギーが多く、乳の陽性閾値は中央値3.1ml(範囲0.8-20ml)と低く、乳特異的IgE抗体価は61.7Ua/mL(10.4-293)と高い群でした。
■ 食品用乳糖と医薬品乳糖では、乳蛋白量が異なることがしられており、この論文内では、食品用乳糖は(高度に精製されても)0.3%、医薬品乳糖は0.1%と報告されているとしています。
■ 普段の診療では、極めて重篤な乳アレルギーのお子さんでははっきりと乳糖でも症状があるケースはありますが、おおくは問題ないことがわかります。
■ なお、普段乳糖が摂取できていても、乳糖を含有した吸入薬や静注剤には注意を要します。
今日のまとめ!
✅ 重篤な乳アレルギーがあっても、乳糖は摂取できる場合は多い。














