アトピー性皮膚炎に対する保湿剤は、エモリエントか?モイスチャライザーか?
■ アトピー性皮膚炎に対する”保湿剤”に関して、安価なワセリン(エモリエント)を使う場合も多いですが、個人的には保湿成分が含まれたモイスチャライザーを使うことが多いです。
■ 実際、成人に関しては保湿成分を含んだほうが寛解維持率が高いという報告もあります。
■ 今回は小児に関する検討で、保湿成分が含まれたほうがよいかどうかのランダム化比較試験をご紹介します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
アトピー性皮膚炎に関連した乾皮症の2~6歳の小児(251人)を、グリセロールとパラフィンを組み合わせたエモリエント(モイスチャライザーにあたる)、もしくはその基剤(エモリエントにあたる)でランダム化し、28日間の治療をおこない乾燥肌の所見を比較したところ、
✅ SCORAD、objective-SCORAD(それぞれアトピー性皮膚炎の重症度スコア)のなかの乾皮症スコアやVASは改善し、皮膚水分量は基剤よりもエモリエント群でより上昇した(すべての測定でP<0.001)。
✅ 基剤よりもエモリエント剤に反応した患者が多かった(66.1% vs 45.6%; P<0.001)。
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