以下、論文紹介と解説です。

Berger MY, et al. Value of abdominal radiography, colonic transit time, and rectal ultrasound scanning in the diagnosis of idiopathic constipation in children: a systematic review. J Pediatr 2012; 161:44-50.e1-2.

小児の特発性便秘の診断精度に関し、腹部X線撮影に関する6件を評価したシステマティックレビュー、さらに腹部X線撮影 2件・大腸通過時間 3件・超音波検査4件を検討した報告から検討した。

目的

■ 小児の特発性便秘の診断における腹部X線検査、大腸通過時間(colonic transit time; CTT)、直腸超音波検査の価値を評価するシステマティックレビューを実施する。

 

研究デザイン

■ 特発性便秘が疑われる小児に対する腹部X線撮影、CTT、直腸超音波検査の診断精度を評価した研究を対象とした。

■ 対象となった研究の方法論的な品質は、システマティックレビューのチェックリストに含まれる Quality Assessment of studies of Diagnostic Accuracy(診断精度に関する研究の質評価)を用いて評価した。

 

結果

1件のシステマティックレビューは、2004年までの腹部X線撮影に関する6件を要約していた。

■ その他の9件では、腹部X線撮影 2件、CTT 3件、超音波検査4件が評価されていた。

■ 2件を除くすべての研究はケースコントロール研究デザインであり、これは検査精度の過大評価につながると考えられた。

■ さらに、どの研究も便秘の臨床診断を知らない状態で、腹部X線撮影、超音波検査、CTTの結果を判断していなかった。

■ 6研究で検討された腹部X線検査の感度は80%(95%CI 65-90%)から60%(95%CI 46-72%)であり、特異度は99%(95%CI 95-100%)から43%(95%CI 18-71%)だった。

■ CTTの検査特性を示した研究は1件のみであり、超音波検査の検査特性を示した研究は2件だった。

 

結論

■ 小児の腹部X線写真、CTT、超音波スキャンにおける直腸径と便秘の臨床症状には、診断的な関連性を示す十分な証拠がなかった。

 

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便秘に対しては、腹部レントゲン検査は控え超音波検査は実施してもいいかもしれない。

■ もちろん絶対ではありませんが、個人的には便秘を疑うケースに対するレントゲン検査は、有用性がひくいというエビデンスが多いためあまり行いません(異物の可能性を疑う場合などは、もちろん行います)。

■ 余分なレントゲン検査を避ける意味も含みます。

■ しかし、レントゲン検査は、すくなからず実地医療では行われ、その結果に基づいて治療の選択が行われるようです(J Pediatr 2017; 191:179-83)。

■ 治療方針はそれぞれの医師の裁量もありますし、その事自体は避難するべきではありません。あくまで、個人的なベースをそこにおいているだけです。

■ 一方で、超音波検査は、研究デザインの問題から診断精度に問題がでると本研究でも指摘されながらも、カットオフ値がそこそこ揃っていて直腸径33-34mmとしている研究が多いようです。

■ 超音波検査は被爆や侵襲がないですし、考慮してもいいのではと思っています。

 

 

今日のまとめ!

 ✅ 小児の特発性便秘に対する画像検査は、有用性はそれほど高くはない。

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