新型コロナウイルス(COVID-19)と川崎病・そして川崎病ショック症候群。
■ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と川崎病の関連が報道されています。
■ これまでのCOVID-19と川崎病との関連に関しては、4月に報告された1例報告が最初というのが私の認識です(Jones VG, et al. COVID-19 and Kawasaki Disease: Novel Virus and Novel Case. Hosp Pediatr 2020. PMID: 32265235)。
■ この報告は、生後6ヶ月ではあるものの(やや早い)典型的な川崎病であり、免疫グロブリン(IVIG)と高用量アスピリンで改善しています。
参考 川崎病の年齢分布(第25回川崎病全国調査成績より)
■ 『従来の(新型ではない)』コロナウイルス感染と川崎病の関連は、もともときっかけのひとつとして可能性が疑われており(コロナウイルスだけに限っていません)、『予想する必要はある』と考えていました。
■ その中で、2020/5/7にLacnet誌に、8例の『川崎病ショック症候群』の症例シリーズが報告されました。
※2020/5/8 AM5:30に、後半のコメントをすこし書き足しました。
※2020/5/9 AM7:30に、さらに後半のコメントを書き足しました(2020/5/7に、日本川崎病学会から川崎病と新型コロナウイルス感染症との関係に関する声明がだされています)。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
英国ロンドンのSouth Thames Retrieval Serviceで、2020年4月中旬の10日間に、非定型川崎病、川崎病ショック症候群、中毒性ショック症候群に類似した特徴を示す小児8人に関する報告があり、
✅ 8人中4人は新型コロナウイルス(COVID-19)への家族内曝露が知られていた。
✅ warm/血管拡張性ショックになり、ボリュームの回復に難渋し、最終的にはノルアドレナリンとミルリノンによる血行動態のサポートを必要とした。
✅ 1例は難治性ショックを伴う不整脈を発症し、脳血管梗塞で亡くなったが、他の7人は4~6日で集中治療から脱し、退院した。
スポンサーリンク(記事は下に続きます)