以下、論文紹介と解説です。
Sherenian MG, et al. Sensitization to peanut, egg or pets is associated with skin barrier dysfunction in children with atopic dermatitis. Clinical & Experimental Allergy; PMID: 33721370
MPAACHコホート研究に参加したアトピー性皮膚炎のある1~2歳児 400人に対し、フィラグリン・経皮水分蒸散量(TEWL)・S100A8/S100A9発現と、アトピー性皮膚炎の重症度との関連を評価した。
背景
■ アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis; AD)の児は、食物や吸入アレルゲンに感作されていることが多いが、感作のパターンを疾患病原性を示す尺度で分析されたことはない。
目的
■ この研究は、先入観のない機械学習を用いてアレルゲン感作群を定義し、それらと皮膚フィラグリン(filaggrin; FLG)・経皮水分蒸散量(transepidermal water loss; TEWL)(皮膚バリアの完全性を評価)・S100A8/S100A9の発現(皮膚炎症を評価)が、ADの重症度との関連を明らかにすることを目的とした。
方法
■ MPAACH(Mechanisms of Progression from Atopic Dermatitis to Asthma in Children)コホートに参加したAD児 400人を対象に、食物や吸入アレルゲンに対する感作群を検討した。
■ MPAACHは、2016年から2018年にかけて、病院/コミュニティのセッティングからリクルートされた1~2歳の小児ADコホートである。
■ これらの群とADバイオマーカー(皮膚FLG、S100A8、S100A9発現、総IgE、TEWL、AD重症度)との関連を分析した。
結果
■ 機械学習法により、5つのアレルゲンクラスターが明らかになった。
■ 最も多いクラスター(131人)であるSPTPEPは、ピーナッツ、卵、および/またはペットに感作されていた。
■ ピーナッツ、卵、ペット以外のアレルゲンに感作された児を含む有病率の低い3つのクラスターは、SPTOTHERにまとめられた。
■ SPTNEGは、感作されていない児が含まれた。
■ SPTPEPは、SPTOTHER(8.8g/m2/hと24kU/L; p = .01とp < .001)やSPTNEG(9g/m2/hと26kU/L; p = .003とp < .001)と比較して、病変のない部位のTEWLがより高く(16.9g/m2/h)、IgEの中央値が高かった(90kU/L)。
■ SPTPEPは、SPTOTHER(病変部 0.9; p = 0.047、非病変部 1.78; p = 0.01)およびSPTNEG(病変部 1.47; p < 0.001、非病変部 2.21; p < 0.001)と比較して、病変部(0.70)および非病変部(1.09)のFLG発現量の中央値が低かった。
■ S100A8およびS100A9の発現量は群間で有意差はなかった。
結論と臨床的妥当性
■ この臨床ベースのAD群において、ピーナッツ、卵、ネコ、イヌに対するアレルゲン感作は、より重篤な疾患重症度/皮膚バリア機能と関連していたが、皮膚炎症のマーカーとは関連していなかった。
■ これらのデータは、集団ベースのコホートで再現する必要があるが、ADとアレルギー感作の相互作用を理解する上で重要な意味を持つかもしれない。
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ピーナッツ・卵・ネコ・イヌに感作されていると、皮膚バリア機能が下がりアトピー性皮膚炎の重症度もあがる可能性が示唆されている。

■ どちらが卵で鶏なのかというようなテーマにも思えますが、感作そのものが皮膚のバリア機能を下げる可能性があるのならば、アトピー性皮膚炎が悪化→感作がすすむ→さらにアトピー性皮膚炎が悪化…というサイクルが回っていく可能性が高いことになります。
■ どこかでサイクルを断つためにもアトピーの改善を目指した丁寧な皮膚ケアをしておきたいですね
今日のまとめ!
✅ 感作そのものが、皮膚バリアを下げてアトピー性皮膚炎を悪化させるかもしれない。













