以下、論文紹介と解説です。
Bradley JP, et al. Severity of respiratory syncytial virus bronchiolitis is affected by cigarette smoke exposure and atopy. Pediatrics 2005; 115:e7-14.
生後12か月未満(生後4.0±3.3か月)で初めて重症RSV気管支炎を発症し入院した乳児206例の、リスク因子を検討した。
目的
■ Respiratory syncytial virus(RSV)による細気管支炎は、小児における入院の原因としてよく知られており、喘息発症の危険因子であるとの指摘も増えている。
■ しかし、RSV気管支炎の重症度を決定する要因についてはほとんどわかっておらず、小児の初期評価に役立つ可能性がある。
試験デザイン
■ RSV気管支炎の重症度に寄与する可能性のあるさまざまな環境因子および宿主因子を、RSV Bronchiolitis in Early Life前向きコホート研究で評価した。
■ 気管支炎の重症度は、酸素飽和度の最も低い値と入院期間の量子化に基づいていた。
■ これらの要因には、子どもと家族の人口統計、家庭内アレルゲン(ダニ、ネコ、イヌ、ゴキブリ)の有無、末梢血好酸球数、IgE抗体価、乳児期の栄養、既往歴、胎内・出生後の受動喫煙、アトピーの家族歴などが含まれていた。
対象
■ 生後12か月未満(生後4.0±3.3か月)で初めて重症RSV気管支炎を発症し入院した乳児206例を前向きに登録した(平均酸素飽和度 91.6±7.3%; 入院期間 2.5±2.5日; X線検査有 75%).
■ 喘鳴歴がある、気管支拡張剤や抗炎症剤の定期使用、喘息、慢性肺疾患/肺異形成、嚢胞性線維症などの既往の肺疾患がある、胃食道逆流症(内科的治療あり)、胸部や肺の先天性異常があるなど、さまざまな理由で患者が除外された。
結果
■ (RSV)感染の重症度には年齢が大きく影響していた。
■ 年齢が低いほど、酸素飽和度が低いほど、感染症が重症化する傾向にあった。
■ また、出生後に母親からの受動喫煙があった乳児は、受動喫煙がない乳児に比べて酸素飽和度が低かった。
■ しかし、RSV気管支炎の重症度については、胎内での受動喫煙のみの乳児と、受動喫煙のない乳児との間に有意な差はなかった。
■ アトピーの家族歴、特に母親に喘息や花粉症の病歴がある乳児は、酸素飽和度が高かった。
■ 母親のアトピー歴は保護的であると考えられ、25%の家庭でアレルゲン濃度が上昇していたものの、アレルゲンと気管支炎の重症度には関連性がなかった。
■ 黒人の乳児は白人の乳児に比べてRSV気管支炎の重症度が低かった。
■ 多変量解析では、年齢、人種、母親のアトピー、喫煙がRSV細気管支炎の重症度と関連していた。
結論
■ RSV細気管支炎の重症度は、家庭環境のアレルゲン量ではなく、出生後の母親からの受動喫煙への曝露、乳児のアトピーと年齢によって変化するようである。
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RSウイルスによる気管支炎の重篤化に、受動喫煙が関連していると考えられる。

■ 受動喫煙が、乳児のRSウイルスによる気管支炎の重篤化に関連することが明らかになったと言えます。
■ 別報告で、米国における受動喫煙は、RSウイルスによる年間の超過入院数を22,000入院増加させ、1100死亡を増やすと推定されています(Arch Pediatr Adolesc Med 1997; 151:648-53.)。
■ 喫煙率は、徐々にさがってはきていますが、女性では、2004年以降ゆるやかになってきており50歳代では増加傾向を示しています。
■ もちろん、それでも男性のほうが圧倒的に喫煙率はたかいので、両方とも留意する必要があるでしょう。
■ とはいえ、喫煙は『ニコチン中毒』という薬物中毒とも言えます。ご自身の意志だけで禁煙することはは難しいものです。
■ 禁煙外来などを利用されるのがいいのではないかと思われます。
■ なお、母のアレルギー体質が児の重篤化に保護的な効果があった理由はよくわかっていないようです。
今日のまとめ!
✅ RSウイルス感染による重篤化には、受動喫煙も有意に影響する。


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