ヒトメタニューモウイルス感染症は、成人でも入院の原因となるウイルスである

ヒトメタニューモウイルスは、2001年に同定された比較的新しい、主に呼吸器感染症の原因となるウイルスです。

■ ヒトメタニューモウイルスは、RSウイルスに似た臨床症状を示す、主に呼吸器感染症を起こす原因ウイルスです。

■ 2001年にはじめて同定された、比較的あたらしいウイルスで、5歳までにおおくの小児が感染することから小児の感染症と考えられてきました。

■ 最近、Voicyで簡単に解説しました。

■ 一方で、ヒトメタニューモウイルスは、成人の喘息や、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの悪化に関与していることが指摘されています。

■ 埼玉医科大学呼吸器内科の永田真先生にご指摘いただきました。

■ その文脈のなかで、2008年のArchives of Internal Medicine(現在はJAMA Internal Medicine)の報告をご紹介します。

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

前向きに登録された3つの成人(19~40歳の若年者、65歳以上の健康な成人、ハイリスク成人)、入院集団において、4回の冬季(1999年から2003年の11月15日から4月15日)におけるヒトメタニューモウイルス感染を確認し、発生率と臨床的影響を、同じ集団におけるA型インフルエンザやRSウイルス感染症の発生率と比較検討したところ、

 ✅ 3つの前向きに調査された外来患者集団において、毎年2.2%から10.5%のヒトメタニューモウイルス感染が確認された。

 ✅症状が出た場合、典型的な上気道炎であったが、入院を必要とするハイリスク患者も数人いた。

 ✅喘鳴は80%に認められ、インフルエンザに比べより一般的だった。

 ✅集中治療室への入院が12%、人工呼吸器の使用が11%と、インフルエンザやRSウイルス感染と同程度の率だった。

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