近くにあるピーナッツがあると、空気中に浮遊するピーナッツ蛋白質に重篤なピーナッツアレルギーを起こしうるか?
■ 日常診療で、周囲で摂取している食物に対して皮膚や目が赤くなるなどの軽微な症状の訴えを経験することがあります。
■ このあたりはなかなか判断が難しいことが多く、『摂取するひとが多い環境で食物アレルゲンが拡散する』ことは間違いないのですが、この程度のタンパク量で重篤な症状が起こりうるかに関しては判断が難しいです。
■ 後半にすこし考察しますが、最近、試験的にどれくらい症状が惹起されるのか、実際にどれくらいのタンパク量が検出されるのかを検討した報告がありましたので共有します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
ピーナッツアレルギーのある児84人を、ピーナッツの入ったボウルから0.5mの距離で30分間空気中のピーナッツ負荷し、症状の出現と蛋白質の検出量を検討したところ、
✅ 空気中のピーナッツアレルゲンに対する中等度/重度のアレルギー反応は認められず、2人(2%)に軽度の結膜炎が見られた。
✅ ピーナッツもしくはAra h 2特異的IgE抗体は、反応を予測しなかった。
✅ 乾燥ローストピーナッツで166ng/ml(中央値)、ローストピーナッツで33ng/ml(中央値)と非常に低いタンパク量が検出されたが、ピーナッツからの距離(0.5~2m)を離して採取すると大きく減少した。
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