気管支喘息・アレルギー体質と新型コロナの関連は、現在どこまでわかっているか?
■ 『アレルギーの病気があると新型コロナにかかりやすいのですか?』という質問に関し、1年半ほど前に総論をご紹介しました。
■ 最近の動向はどうなっているのかに関し、最近JACIに短いレビューが掲載されていましたので、雑に全文を翻訳して共有します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
新型コロナと気管支喘息・アレルギー体質との関連に関し、最近の報告ををレビューした。
✅ 喘息と新型コロナのリスクの関係は複雑であり、喘息の有無、基礎疾患である呼吸器疾患の重症度、使用している治療法、さらには2型炎症の有無によって影響を受ける可能性が高い。
✅ アレルゲン感作および2型バイオマーカー(呼気一酸化窒素、IgE、鼻腔内IL-13発現など)は、喘息の有無にかかわらず、鼻上皮におけるACE2発現と逆相関する。
✅ 2型喘息のバイオマーカーとしてよく用いられる好酸球は、病原体に対する免疫に関連し、血中好酸球が200個/μL以上の患者は、喘息の有無にかかわらず、死亡率が低かった。
✅ 吸入ステロイドと全身性ステロイドに関し、最適な投与量、時期、治療期間、期待される効果については、介入研究として結論が出ていないが、感染した成人患者のうち、入院前の鼻噴霧ステロイドの使用が、入院、集中治療室への入室、院内死亡のリスクの低下と関連していた。