以下、論文紹介と解説です。
Choi M, Byun S, Lee D, Kim K, Park K, Park S. The Association with rhegmatogenous retinal detachment and paediatric atopic dermatitis: a 12-year Nationwide Cohort Study. Eye 2020;34:1909-15.
韓国の全人口を対象とした12年間の国民健康保険サービスデータベースから、20歳未満のアトピー性皮膚炎と裂孔原性網膜剥離の関連を推定した。
目的
■ 歴史的に、アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis; AD)は、裂孔原性網膜剥離(rhegmatogenous retinal detachment; RRD)のリスク上昇と関連している。
■ しかし、大規模な人口ベースの小児集団において、ADおよび併存疾患(例:アレルギー性疾患、白内障手術)がRRD発生に及ぼす影響については不明確なままだった。
対象者および方法
■ 20歳未満のADとRRDの関連を推定するために、韓国の全人口を対象とした12年間の国民健康保険サービスデータベース(2002年~2013年)を分析した。
結果
■ RRD患者3142人を特定し、18,852人の対照者(RRD患者1人に対して対照者6人)をマッチングし、20歳未満の21,994人を分析対象とした。
■ ADはRRD群(329人、10.47%)で対照群(1043人、5.53%)より多く、重症AD(153人[4.87%]と223人[1.18%]、それぞれP<0.001)でも同様だった。
■ 条件付きロジスティック回帰分析では、アレルギー疾患、結合組織疾患、ぶどう膜炎,白内障手術を調整した後でも、AD は RRD と関連していた(OR 1.61; 95% CI 1.93-1.87).
■ さらに、ADの重症度はRRDのリスク増加と関連していた(非重症ADのORは1.26[95%CI 1.05-1.51]、重症ADのORは2.88[95%CI 2.25-3.68])。
結論
■ 本研究は、アレルギー疾患、ぶどう膜炎、白内障手術などの既知の交絡因子を調整した後でも、ADとRRD発生との関連を示すため、AD自体が小児のRRDの危険因子であることを示唆する。
アトピー性皮膚炎には網膜剥離のリスクがあり、アトピー性皮膚炎の重症度が関連する。
■ 白内障に関しては、最近、以前に比較して発生率が下がってきているという報告があります。
■ そして、網膜剥離の発生率も下がってきているようです(Sasoh M, Mizutani H, Matsubara H, Furuta M, Matsui Y, Yamanaka K, et al. Incidence of retinal detachment associated with atopic dermatitis in Japan: review of cases from 1992 to 2011. Clin Ophthalmol 2015; 9:1129-34.)。
■ これらは、アトピー性皮膚炎の治療が改善してきているからと考えられています。
■ アトピー性皮膚炎における白内障が、アトピー性皮膚炎の書状のみではないのではないかという考え方も提示されていますが(Lambert SR, Teng JM. Assessing whether the cataracts associated with atopic dermatitis are associated with steroids or inflammatory factors. JAMA ophthalmology 2018;136:918-9.)、個人的には、アトピー性皮膚炎の治療を丁寧にするべきと考えています。

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