以下、論文紹介と解説です。

Robinson ML, Morris CP, Betz JF, Zhang Y, Bollinger R, Wang N, et al. Impact of SARS-CoV-2 variants on inpatient clinical outcome. Clinical Infectious Diseases 2022.

米国東部の5つの病院で新型コロナで入院し変異株の情報のある患者を、変異株ごとの重症化率を比較した。

背景

■ SARS-CoV-2の変異株によってCOVID-19の入院リスクに差があることがこれまで観察されているが、入院の結果についての情報は限られている。

 

方法

■ 米国東部の5つの病院でCOVID-19を発症した入院患者のうち、低酸素、頻呼吸、頻脈、発熱があり、全ゲノム配列決定または地域サーベイランスによる推論で決定したSARS-CoV-2亜型のデータを持つ患者を対象とした。

■ 解析は、SARS-CoV-2ワクチン接種歴または感染歴によって層別化した。

■ SARS-CoV-2亜型の平均的な効果は、ベースラインの臨床的特徴から得られた傾向スコアで重み付けしたモデルを用いて、高度な呼吸補助が必要な重症化または死亡の28日間のリスクについて評価した。

 

結果

■ 28日以内の重症化または死亡は、ワクチン未接種患者3,369人中977人(29%)、ワクチン接種歴またはSARS-CoV-2感染歴のある患者1,230人中269人(22%)に発生した。

■ ワクチン未接種患者において、従来株と比較したデルタ株の重症化または死亡の相対リスクは1.30(95%信頼区間[CI]1.11-1.49)だった。

■ デルタ株と比較して、オミクロン株のリスクは0.72(95%CI 0.59-0.88)、従来株と比較して0.94(95%CI 0.78-1.1)だった。

■ オミクロン株とデルタ株の感染者のうち、ワクチン接種歴もしくはSARS-CoV-2感染歴のある患者は、重症化もしくは死亡のリスクが半分だったが(調整ハザード比0.40; 95%CI 0.30-0.54)、変異株によるアウトカム有意差はなかった。

 

結論

■ ワクチン未接種の入院患者のオミクロン株の重症化・死亡リスクはデルタ株より低かったが、従来株と同程度だった。

■ ワクチン接種を受けた入院患者では重篤な転帰が少なく、デルタ株とオミクロン株の感染に差はなかった。

 

オミクロン株は、たしかにデルタ株よりは重症度は低いようだが、さまざまな因子を調整すると従来株と重症度はほとんど変わらないようだ。

■ もしかすると、株ごとの一般的なイメージは、こんな感じかもしれません。

■ しかし、オミクロン株は、たしかにデルタ株よりは重症度は低いようですが、因子を調整すると従来株と重症度はほとんど変わらないという結果でした。

■ すなわち、この研究ではこんな感じです。

■ 予防接種をしていない方にとっては(成人に対する治療法はある程度あるにせよ)、重症度はあなどれませんし、さらにさまざまな後遺症も考慮にいれる必要もあるでしょう。

 

 

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