新型コロナ罹患後の認知機能低下『ブレイン・フォグ』は、新型コロナに特有の病態として存在する可能性がある

新型コロナ罹患後の『ブレイン・フォグ(脳の霧)』という後遺症。

■ 新型コロナが神経系に影響を及ぼす可能性は以前から指摘されています(Spudich S, Nath A. Nervous system consequences of COVID-19. Science. 2022;375(6578):267-269.)。

■ そして新型コロナ罹患後に、『ブレイン・フォグ(脳の霧)』という後遺症が起こる可能性があることが指摘されています。

■ 新型コロナ罹患後のブレイン・フォグが現実的に存在する病態かどうかわかっていないことが多いのですが、最近、有名な医学雑誌のCellにブレインフォグの病態の一端を説明しうる研究結果が報告されました(Fernández-Castañeda A, Lu P, Geraghty AC, et al. Mild respiratory COVID can cause multi-lineage neural cell and myelin dysregulation. Cell. 2022;185(14):2452-2468.e2416.)。

■ その論評がNEJMに掲載されていたので、簡単に翻訳して共有します。

 

※私はこの脳神経などの専門家ではありませんので、ざっくりの内容であることをご了承下さい。ただ、すごく雑にまとめると、インフルエンザウイルスにない新型コロナの作用として、長期間神経細胞を障害するメカニズムが推測された…ということですね。

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

ロングコビットの病型の一つ、『ブレイン・フォグ』のメカニズムを検討したCellへ報告されたFernández-Castañedaらの研究に対する論評では、

 ✅ 新型コロナをモデル化したマウスを作成し神経の炎症を確認したところ、新型コロナに感染したマウスは、少なくとも7週間はミエリンと有髄軸索が障害された。

 ✅ ロングコビットの患者の血清中でも上昇しているケモカインCCL11は老化や神経新生の阻害と関連しており、ミクログリアの活性化にはCCL11の上昇が関連しているようだった。

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