変異株ごとの新型コロナの重症化率に関し、デルタ株が重篤化しやすいことは明らかなものの、それ以外の株ごとの比較は背景因子が異なり容易ではない。
■ オミクロン株が、従来よりも軽症化していることはイメージが広まっています。
■ そして、とくに重症になりやすかったデルタ株より、軽症であることはいくつかの報告で示されています(Lancet Infectious Diseases 2022; 22(7): 959-66.)(Lancet Regional Health - Americas 2022: 100297.)。
■ しかし、その前の従来株などとの比較は十分ではありませんでした。
■ そして、そこにはワクチン接種率の増加・過去の感染歴なども影響しており、直接の比較は難しい点があります。
■ その要素などを調整して比較した研究結果がCIDに報告されていましたので共有します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
米国東部の5つの病院で新型コロナで入院し変異株の情報のある患者を、変異株ごとの重症化率を比較したところ、
✅ワクチン未接種患者において、従来株と比較したデルタ株の重症化または死亡の相対リスクは1.30(95%信頼区間[CI]1.11-1.49)だった。
✅デルタ株と比較して、オミクロン株のリスクは0.72(95%CI 0.59-0.88)、従来株と比較して0.94(95%CI 0.78-1.1)だった。