抗IL13抗体レブリキズマブは、アトピー性皮膚炎に有効か?

アトピー性皮膚炎に対する生物学的製剤が増えていくことが予想されている。

■ 急速にアトピー性皮膚炎の病態が解明され、それぞれの経路を抑える薬剤が次々と開発されてきています。

■ すでに一部はアトピー性皮膚炎に有効性が示せず、中断されたものもありますが、抗IL13抗体であるレブリキズマブの有効性がBJDに報告されました。

 

Blauvelt A, Thyssen JP, Guttman-Yassky E, Bieber T, Serra-Baldrich E, Simpson E, et al. Efficacy and safety of lebrikizumab in moderate-to-severe atopic dermatitis: 52-week results of two randomized double-blinded placebo-controlled phase III trials. British Journal of Dermatology 2023; 188:740-8.

ADvocate1試験とADvocate2試験(NCT04178967)に参加した、中等度から重度のアトピー性皮膚炎のある青年期及び成人患者を対象に、52週間のレブリキズマブの有効性及び安全性を評価した。

背景

■ レブリキズマブは、インターロイキン(IL)-13に選択的に結合する新規の高親和性モノクローナル抗体である。

目的

■ ADvocate1試験(NCT04146363)およびADvocate2試験(NCT04178967)では、中等度から重度のアトピー性皮膚炎(AD)を有する青年期及び成人患者を対象に、52週間のレブリキズマブ単剤療法の有効性及び安全性を評価した。

方法

■ 16週間の導入期間終了時に効果が得られた患者に対し、レブリキズマブ250mgを2週間毎に投与(Q2W)、レブリキズマブ250mgを4週間毎に投与(Q4W)、プラセボを2週間毎に投与(レブリキズマブを中止)する群を36週間追加で行う(最初から考えると52週間)ように、2:2:1の比率でランダム化した。
■ 16週目の有効性の定義は、EASIが75%減少(EASI 75)、IGAが0または1、もしくは2点以上の改善、レスキュー薬の使用がないことだった。
■ 欠損データの処理には多重代入法を使用した。
■ 維持期間中は、外用療法の断続的な使用が許可された。

結果

■ 52週後、レブリキズマブQ2W投与群では71.2%、レブリキズマブQ4W投与群では76.9%、レブリキズマブ中止群では47.9%の患者で、IGAが0または1、もしくは2点以上の改善が維持された。
■ 52週目におけるEASI 75の維持率は、レブリキズマブQ2W投与群で78.4%、レブリキズマブQ4W投与群で81.7%、レブリキズマブを休止した群で66.4%だった。
■ 各治療群間で、レスキュー療法を使用した患者の割合は、ADvocate1では14.0%、ADvocate2では16.4%だった。
■ ADvocate1とADvocate2の導入期と維持期を合わせた期間中、レブリキズマブを投与された患者の63.0%が何らかの治療上の緊急な有害事象を報告し、そのほとんど(93.1%)は軽度または中等度の重症度だった。

結論

■ レブリキズマブQ2Wによる16週間の導入期間後、レブリキズマブQ2WおよびQ4Wの投与は、中等度から重度のADの徴候および症状の同様の改善を維持し、安全性プロファイルはこれまでに発表されたデータと一致していた。

 

 

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