水分摂取習慣があると、角層水分量も増えるのか?
■ 角層には皮膚を健康に保つために水分が保持されています。角層のタンパク質は、お互いに強く接着されていて、水分が肌から逃げ出さないように守っているのです。
■ すなわち、皮膚水分量で、皮膚の健康度、バリア機能を推測することができるわけですが、コルネオメトリーというセンサーで検査をすることが可能です(保険適応というわけではありません)。
■ では、普段の水分摂取量は、皮膚の水分量も増やすのでしょうか?
■ コルネオメトリーを使って、大学生の皮膚の角層水分量をしらべ、さらに生活習慣と比較した研究がありました。
※アンケート調査と角層水分量の比較なので、さらに検討が必要なテーマです。
Załęcki P, Rogowska K, Wąs P, Łuczak K, Wysocka M, Nowicka D. Impact of Lifestyle on Differences in Skin Hydration of Selected Body Areas in Young Women. Cosmetics 2024; 11:13.
84人の若年成人女性に対し、コルネオメトリーを用いて身体の各部位の角層水分量を測定し、さらに生活習慣に関するアンケート調査と比較した。
背景
■ 皮膚の水分量を測定することは、皮膚科学研究、美容診療、日々のスキンケアにおいて重要である。
■ これは、皮膚の評価に関する洞察を提供し、治療結果を予測する助けとなる。
目的
■ 本研究では、女子大学生を対象に、コルネオメトリーを用いて身体の各部位における皮膚の水分量を調査した。
■ また、人口統計学的データ、水分摂取量、スキンケア、運動習慣のデータも収集した。
結果
■ 角層水分量が最も高かったのは顔(n=40)、次いで胸周囲の皮膚(n=42)、頸部の皮膚(n=48)、脚の皮膚(n=42)だった。
■ 顎と額(106.06±21.06対91.20±26.68;p=0.001)と顎と頬(106.06±21.06対92.00±27.63;p>0.001)の間で差が観察された。
■ 胸周囲の水分測定結果の差は有意ではなかった(右鎖骨55.1±12.93、左鎖骨51.84±10.00、胸骨53.55±16.3;p=0.379)。
■ 頸部では、中点が最も高い角層水分量を示した(左41.7±11.3、中49.2±12、右47.2±8.2;p>0.001)。
■ 大腿部の皮膚は脛部の皮膚よりも有意に乾燥していた(31.09±6.89対33.54±6.28;p=0.008)。
■ 水分摂取量は、皮膚の角層水分・運動量と正の相関があった。
結論
■ すべての皮膚領域はさまざまなレベルの角層水分量によって特徴づけられると結論付けられた。
■ 水分摂取と身体活動は、皮膚の角層水分の改善に寄与することが示された。
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