内服JAK阻害薬は、アトピー性皮膚炎以外のアレルギー疾患に有効か?

デュピルマブは喘息・アレルギー性鼻炎にも効果的。では、内服JAK阻害薬は?

■ アトピー性皮膚炎の全身治療薬が増えてきていて、とくにデュピルマブは喘息やアレルギー性鼻炎にも有意な効果があることが示されています。

■ しかし、内服JAK阻害薬が、喘息やアレルギー性鼻炎に有効かどうかのデータは不足していました。
■ そして最近、このテーマに関する短報が、JEADV(ヨーロッパ皮膚科学アカデミーの公式学術誌)に報告されていました。

Gargiulo L, Ibba L, Piscazzi F, et al. Upadacitinib improves symptoms of concomitant allergic rhinitis or allergic asthma in patients with severe atopic dermatitis: A 16-week multicentre retrospective study. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2024 

アレルギー性喘息および/またはアレルギー性鼻炎を併発している重症アトピー性皮膚炎のある116人に対し、ウパダシチニブによる治療を16週間行った。

短報(Letter)のため、ここではざっくりのまとめのみ。

✅ 16週後にEASI-75を95例(81.90%)が、EASI-90を65例(56.03%)が達成した(アトピー性皮膚炎の重症度スコアが75%、もしくは90%改善)
✅ ウパダシチニブ投与後16週間で、アレルギー性喘息・アレルギー性鼻炎にわずかな改善が見られた(平均ACQ-5スコアが1.12(p<0.0001)、平均RCATスコアが23.55(p<0.0001)になり、ARとAAの平均VASスコアがそれぞれ2.08と1.37に有意に減少)

 

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