プロバイオティクス(乳酸菌製剤)はアトピー性皮膚炎発症を予防する: システマティックレビュー

プロバイオティクス(乳酸菌製剤)は、アトピー性皮膚炎を予防する?

 

P: 2014/2/14までのPubMed、Embase、Cochrane Libraryで検索した17本の論文を抽出。
E: プロバイオティクス投与群 2381例
C: Control群 2374群
O: Eczema(湿疹=アトピー性皮膚炎)発症のrisk ratio(RR)

 

Zuccotti G, et al. Probiotics for prevention of atopic diseases in infants: systematic review and meta-analysis. Allergy 2015; 70:1356-71.

結果

■ プロバイオティクスはいわゆる乳酸菌製剤。

Eczema(湿疹)発症RR 0.78 (95% 信頼区間: 0.69–0.89, P = 0.0003)、特に複数のプロバイオティクスでは RR 0.54 (95% 信頼区間: 0.43–0.68, P < 0.00001)。

■ 一方、気管支喘息RR 0.99 (95% 信頼区間: 0.77–1.27、P = 0.95)、 喘鳴 (RR 1.02 (95%信頼区間: 0.89–1.17, P = 0.76)、アレルギー性鼻炎 RR 0.91 (95% 信頼区間: 0.67–1.23, P = 0.53)。

 

コメント

■ 以前、シンバイオティクスのシステマティックレビューを紹介したが、今回はプロバイオティクス。

■ プロバイオティクスはAD予防に一定の効果があることが証明されていると考えられる。

■ さらに、単一ではなく複数の乳酸菌投与のほうが効果があるようである。

■ しかし、人種により効果に違いがある可能性もあり、日本人で効果があるプロバイオティクスを検索する必要性もある。一般診療で使用するには、日本人での証明が必要だろう。

■ さらに、Eczemaを予防するのみで気管支喘息や鼻炎を予防しないのはなぜだろうか?

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