表皮のTSLPはその後のアトピー性皮膚炎発症を予測する

2017年5月30日

Kim J, et al. Epidermal thymic stromal lymphopoietin predicts the development of atopic dermatitis during infancy. J Allergy Clin Immunol 2016 (in press). 

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26879860


P: 韓国の出生コホート研究に参加した児 ハイリスク群75例+コントロール群12例
E: –
C: –
O: 生後2か月に評価された、前腕掌側TEWL、テープストリッピングで採取されたFLG、αエノラーゼ、コルネオデスモシン、脂肪酸結合蛋白質、serpin B3、トランスグルタミナーゼ3、TSLPが、2歳時でのAD発症を予測するか


【結果】
ハイリスクの定義は、少なくとも片方の親が皮膚検査陽性orアレルギー性鼻炎の既往歴があるor家族に一人以上のADとされた。
生後24か月でのADの累積発生率は、ハイリスク群対コントロール群で有意差があった(64.8%対16.7%; P = .003)。
生後2か月のTSLP中央値(0.83pmol/mg)で二分化すると、生後24ヶ月でのAD発症リスクが5.3倍(95%CI、1.3-21.4)だった。
家族歴にTSLP発現を加えた場合、家族歴のみの児よりAD発症のaORが高かった(aOR = 12.6; 95%CI、1.1-143.9、aOR = 20.2; 95%CI、1.5-272.3)。FLGやTEWLなど他の因子は有意ではなかった。
【コメント】
TSLPは表皮細胞から産生されるサイトカインでアレルギー炎症のマスタースイッチである(Nature2011)。
生後2日、2か月もしくは生後1週以内のTEWLが1歳時のAD発症を予測するという先行研究があるが(JACI 2015、AI 2016)、本論文では、生後2か月のTEWLは有意ではなく、テープストリッピングでのTSLPが有意に関係するという結果である。 出生時はバリア機能(この場合TEWL)が関与するが、その後は免疫異常が顕在化してきて発症リスク因子も複雑化するのかもしれない。

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