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Wood RA, et al. The natural history of milk allergy in an observational cohort. J Allergy Clin Immunol 2013; 131:805-12. 

牛乳アレルギーは、どれくらい自然に改善(寛解)するか?

■ 昨日の卵アレルギーの予後コホート研究に引き続き、今度は牛乳の自然歴(将来どうなっていくか)を示したコホート研究結果です。

卵アレルギーの自然歴: コホート研究

■ 同様の研究手法をとっていますので、昨日の論文と比較してわかりやすいかと思います。やはり、重症の児は思った以上に寛解が少ないですね。

■ もちろん地域によっても、治療や食物負荷試験の実施率によっても、結果が大きく異なると予想されます。

 

※ 2018//12 オープンアクセスになっていたため、図を新しく挿入し、フォーマットを調整しました。

P: 生後3-15か月の児 293名
1)皮膚プリックテスト(SPT)陽性かつ乳の明らかな即時型アレルギーの既往歴
and/or
2) 中等度から重度のアトピー性皮膚炎と乳に対するプリックテスト陽性
E: リクルート時の月齢、性、人種、乳特異的IgE、IgG4抗体価、乳SPTの径、母乳栄養、他の食物アレルギー、喘息と鼻炎など
C: -
O: 生後63か月(中央値)までの乳アレルギー寛解率

 

結果

154例(52.6%)が72ヶ月までに寛解

■ 卵と同様に、特異的IgEが高値の群、SPT径が大きいほど寛解率が低率(p<0.001)。

図は論文から引用。
卵と同様、ベースラインで乳特異的IgE抗体価が高い児は寛解率が極めて低い。

 

■ また、アトピー性皮膚炎の重症度が軽症以下と中等症以上に層別化すると中等症以上がより寛解率が低率(p<0.001)だった。

論文から引用。アトピー性皮膚炎が重症であるほど寛解が少ない。

 

 

コメント

実臨床においては、1歳前後で初診した児に対して予後を提示できるかもしれない結果でしょう。

■ ただし、コホート試験ですのである程度困難であることは承知でコメントするとすれば、BaselineでもEndpointでも食物アレルギーの診断がやや曖昧で、食物アレルギーを多く見積もっている可能性はあると思います。

■ 最近、本邦や欧州からも同様の報告が出始めていますので、機会があればUPさせていただきますが、食物経口負荷試験を積極的に行っている地域はもっと良い結果がでてくるでしょうし、前向きコホートかレトロスペクティブによっても結果がかなり異なることでしょう。

■ 本邦は、世界的に経口負荷試験を積極的に行っている地域です。それでも普及率は不十分ではあるのですが、なんでも欧米が良いわけではないと思います。

■ もちろん、本邦のなかでも、積極的に負荷試験を行っている地域もあれば、そうでない地域もあります。一括りには出来ません

■ 自分自身が小児アレルギー専門医の少ない地域で診療していた時期もありますので、その地域で簡単に食物負荷試験を導入することに困難さがあることも理解できます。

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